下水君100周年記念企画 ~ 送泥管


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送泥管
 
下水君100周年記念企画の第15回。今回は送泥管関連の下水君を紹介する。といっても該当するものは一種類しかないのだが、この写真は下水君らしき紋章が入った送泥管の埋設表示プレートだ(正式名称は不明)。しっかりと測ってはいないのだが、一辺は10cm程度と小型だ。
 
「送泥管」とは、各処理場で発生した汚泥を、効率的な汚泥処理が可能な処理場へ送るための設備で、下水道局の管轄になる。従ってこの紋章も、かなり簡略化されてはいるが下水君に間違いないと思われる。
 
 
 

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参考画像。こちらのプレートは上水道の水道管の屈曲部がこの下にあることを示しているらしく、水道局が設置する他の蓋と同じく都章が入っている。
 
 
 

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送泥管に関連する蓋もあるのだが、下水君ではなく平成4年より使われている桜マークの蓋しか見つからなかった。写真の蓋は下部に「圧送」と書かれているが、これは汚泥の圧送のことで、このマンホールは送泥管に付随する設備のひとつだと思われる。
 
 
 

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同じく桜マークの入った、送泥管の制水弁の蓋。
 
 
 

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同じく空気弁の蓋。
 
 
 

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こちらは排泥弁の蓋。これらの蓋は最初に掲載した下水君のプレートと同じく王子駅北東、豊島二丁目交差点付近に設置されている。制水弁・空気弁・排泥弁と、上水道に使われる弁と同じ名称の弁が並ぶが、これらは恐らく、送泥管に汚泥を流す際に利用するのではなく、管の腐食を防ぐために綺麗な水を流す際に利用するのだと思われる。
 
送泥管や汚泥処理については、社団法人東京下水道設備協会のテクノワールドQ&Aのページで、子供向けとは思えないほど詳しく丁寧に解説されている。管が壊れた時に備えて送泥管が2本1組になっている部分があること(これは下水道台帳でも確認できる)や、長い時間送泥を停止する際の対応など興味深い説明があるので、興味のある方は是非御一読を。
 
 
 
関連リンク
  ●下水君100周年記念企画01 ~ 東京市型鉄蓋
  ●下水君100周年記念企画02 ~ 日之出水道機器株式会社
  ●下水君100周年記念企画03 ~ 鉄蓋工業株式会社
  ●下水君100周年記念企画04 ~ 変則東京市型
  ●下水君100周年記念企画05 ~ デザイン蓋
  ●下水君100周年記念企画06 ~ コンクリート蓋
  ●下水君100周年記念企画07 ~ 化粧蓋
  ●下水君100周年記念企画08 ~ L型汚水桝・雨水桝蓋
  ●下水君100周年記念企画09 ~ 汚水桝・雨水桝鉄蓋
  ●下水君100周年記念企画10 ~ 特殊人孔鉄蓋
  ●下水君100周年記念企画11 ~ 自働洗滌槽
  ●下水君100周年記念企画12 ~ 燈孔蓋
  ●下水君100周年記念企画13 ~ 中水道
  ●下水君100周年記念企画14 ~ その他の蓋
  ●下水君100周年記念企画16 ~ 私設下水道施設檢査證章標、他
  ●下水君100周年記念企画17 ~ 縁石、縁塊等
  ●下水君100周年記念企画18 ~ 鉄蓋虐待
  ●下水君100周年記念企画19 ~ 越境記録
  ●下水君100周年記念企画20 ~ 下水君の親類
  ●下水君100周年記念企画21 ~ 生い立ちの記
 



下水君100周年記念企画 ~ その他の蓋


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その他の蓋
 
下水君100周年記念企画の第14回。今回はこれまでの分類に当てはまらない蓋を幾つか紹介する。写真は中央に下水君が入り、格子状に細長い穴がたくさん開いた蓋だ。設置場所は内幸町2-2付近、内幸町駅の出口近くだが、この辺りは下水道台帳のオンラインで確認できる範囲にはなく、非表示エリアに該当する。今のところここでしか見たことが無い蓋なので、何か特殊用途のマンホールなのだと思われるが、詳細は不明だ。都庁まで行けば非表示エリアの台帳も確認できるので、機会があれば調べてみたい。
 
 
 

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こちらは蝶番の付いた大きな蓋。直径は110cm 程度。都章の入った似た様式の蓋を千川上水の暗渠上で見かけたことがある。この蓋は東五反田2-3に設置されているが、下水道台帳で調べるとこの辺りには「空気管」というあまり聞いたことのない管が布設されているようだ。空気管というものが下水道においてどういった役割を果たしているのかということまでは調べがついていないのだが、この蓋もそれに関連した設備の一部なのかもしれない。
 
 
 

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続いて京王井の頭線の東松原駅裏で見つけた蓋。ここに2枚あるのみで他の場所で同じ蓋を見かけたことはまだ無い。最初に掲載した蓋と似ているが、格子の間隔が均一ではなく、穴も一部にしか開いていない。しかもそれらの穴はゴムで栓をされ、その上に苔が生えて小さな盆栽ができている。蓋の左側、鍵穴の横には「O↔S」と書かれているが、これは長島鋳物㈱のロック構造で、「O」は「OPEN」、「S」は「SHUT」の頭文字だと思われる。
 
 
 

東松原駅の裏

下水道台帳によるとここにあるのは「特殊人孔(内径90cm以上)」ということだが、それ自体はそう珍しいものではなく、普通の桜蓋で蓋をされた同じ特殊人孔(内径90cm以上)はたくさん存在する。
 
 
 

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こちらは三角形の蓋2枚1組で構成される蓋。こちらの蓋にも長島鋳物㈱のロック構造を示す「O↔S」の表記がある。製品名は「大型特殊三角鉄蓋・NTBS型」とのことだ。
 
 
 

4連8枚の蓋

この蓋は京急の北品川駅近く、北品川橋のたもとに設置されているが、下水道台帳によると雨水管の終端にある「防潮扉付人孔」で、目の前の天王洲運河へ通じているようだ。
 
 
 

合成写真

こちらは合成写真だが、㈱技術研究センターの発行する技術広報誌、G&Uの第3号(2008年10月)の「マンホールふたに古き東京の名残り」というコラムにはこのような形状の蓋の写真も掲載されている。まだどこかに現存している可能性が高そうだ。
 
追記(2012/02/10)
前述のコラムの写真は解像度が低く、蓋の縦・横がはっきりとわからなかったのだが、lot49sndさんから情報を頂き、この蓋の取っ手は上下ではなく左右に付いていることが判明した。昨年夏には現存していたようだが、2012/02/05に見に行ったところ、既に桜蓋に交換されたあとだった。従って、このタイプの蓋は残念ながらもう現存していないのかもしれない。蓋の写真はlot49sndさんのページ、Clocks & Cloudsで確認できる。
 
 
 
追記(2012/02/21)

ギラリ

ギラリ。夕日を反射し光る蓋。
 
 
 

三河島水再生センター内

同じ様式の蓋。巨大な下水君の角蓋に下水君の丸蓋が乗った親子蓋。ダブル下水君。何れも三河島水再生センター敷地内に設置されている蓋をフェンス越しに撮影。
 
 
 

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上の写真を基に強引に画像変換してみた。横幅は180cm程ありそうだ。
 
 
 
以上、これまで14回に渡って下水君の入った蓋を取り上げてきたが、「蓋」そのものに関しての記事は今回が最後だ。11月にこの企画を始める前にはほぼ全ての下水君蓋を集めた気でいたのだが、その後も新種の発見が相次ぎ、また筆者の知らなかった下水君蓋の情報もたくさん頂いて、この趣味の奥の深さを改めて知ることになった。しかも東京都の下水道の蓋は平成4年と平成13年に大きな設計変更が行われており(桜蓋の登場)、現在路上にある蓋は下水君蓋だけではない。下水道台帳と設計標準とが公開されている下水道の蓋だけでもこれだけの種類があるのに、路上には他にもさらに歴史の古い上水道の蓋や、種類や設計が公にされていないガスや電気の蓋、電話の蓋や通信会社の蓋など様々な蓋があるわけで、地味な蓋ではあるけれどこれを面白いと思えば人生物凄く得をするのではないかと思う。
 
というわけで「蓋」そのものに注目するのは今回が最後だが、下水君100周年記念企画はもう少し続く予定だ。
 
 
 
関連リンク
  ●下水君100周年記念企画01 ~ 東京市型鉄蓋
  ●下水君100周年記念企画02 ~ 日之出水道機器株式会社
  ●下水君100周年記念企画03 ~ 鉄蓋工業株式会社
  ●下水君100周年記念企画04 ~ 変則東京市型
  ●下水君100周年記念企画05 ~ デザイン蓋
  ●下水君100周年記念企画06 ~ コンクリート蓋
  ●下水君100周年記念企画07 ~ 化粧蓋
  ●下水君100周年記念企画08 ~ L型汚水桝・雨水桝蓋
  ●下水君100周年記念企画09 ~ 汚水桝・雨水桝鉄蓋
  ●下水君100周年記念企画10 ~ 特殊人孔鉄蓋
  ●下水君100周年記念企画11 ~ 自働洗滌槽
  ●下水君100周年記念企画12 ~ 燈孔蓋
  ●下水君100周年記念企画13 ~ 中水道
  ●下水君100周年記念企画15 ~ 送泥管
  ●下水君100周年記念企画16 ~ 私設下水道施設檢査證章標、他
  ●下水君100周年記念企画17 ~ 縁石、縁塊等
  ●下水君100周年記念企画18 ~ 鉄蓋虐待
  ●下水君100周年記念企画19 ~ 越境記録
  ●下水君100周年記念企画20 ~ 下水君の親類
  ●下水君100周年記念企画21 ~ 生い立ちの記
 



下水君100周年記念企画 ~ 中水道


東京都 中水道

中水道
 
下水君100周年記念企画の第13回。今回は中水道関連の蓋を取り上げる。写真は中水空気弁の蓋。上水道の蓋と同じ規格で造られているようだが、上水道の蓋では都章が入るべきところに下水君が入っている。
 
「中水」とは、汚水や雨水を処理場で浄化した後、トイレや噴水など人体に触れない目的で再利用するものをいう。上水道でも下水道でもないその中間の水道ということで、「中水道」と呼ばれているが、下水道局の管轄になっているのでその蓋にも下水君が入っている。
 
 
 

東京都 中水道

同じく下水君が入ったやや小型の空気弁の蓋。
 
 
 

東京都 中水道

同じく空気弁の蓋だが、少し古い仕様の蓋。
 
 
 

東京都 中水道

こちらも少し古い仕様の蓋だと思われる。
 
 
 

東京都 中水道東京都 中水道

さらに下水君が入った下水仕切弁の蓋もある。こちらも上水道の蓋にそっくりだ。中央に「中水」の文字が入っている。
 
 
 

東京都 中水道

同じく「中水」の文字が入った下水仕切弁の蓋だが、先の蓋と上下逆になっている。
 
 
 

東京都 中水道東京都 中水道

こちらは「中水」の文字の無いもの。
 
 
 

東京都 中水道

さらに下水君のいない蓋もあった。
 
 
 

東京都 中水道

こちらは現行の上水道の蓋と同じ規格で造られている下水仕切弁の蓋。
 
 
 

東京都 中水道

中水制水弁と書かれた蓋。下水君ではなく都章(水道局の仕様)が入っているが、中水は間違いなく下水道局の管轄。この蓋が暗に示すのは、下水君、或いは桜マークが入っていなくても下水道局管轄の蓋があること、かな? 再生水管路上には幾つか消火栓もあったが、中には中水を利用しているものもあるのかもしれない。
 
 
 

東京都 中水道

コメントで情報を頂いて追記。鉄蓋工業㈱のL1型の蓋だが、「中水」との表記がある。下水道台帳で該当箇所を調べたところ、これは中水道の空気弁の蓋らしい。北新宿百人町交差点から北に向かって中央線を越える辺りまでの間に、同様の空気弁は4つあるようだ。(うちひとつは桜蓋で、「再生・空」の表記)
 
 
 

たくさん並ぶ下水仕切弁

たくさん並んだ下水仕切弁。落合水再生センターから新宿方面へ伸びる再生水管がこの地下を通っている。
 
 
 

下水仕切弁と中水空気弁

下水仕切弁と中水空気弁。空気弁は「中水」なのに仕切弁は「下水」の表記。ちなみに新しい桜マークの中水道関連の蓋では、「再生水」や「下水再生水」という表記になっている。
 
 
 
関連リンク
  ●下水君100周年記念企画01 ~ 東京市型鉄蓋
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