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北海道北見市「下水道の日」鉄蓋展示


北海道北見市「下水道の日」鉄蓋展示

北海道北見市「下水道の日」鉄蓋展示
 
毎年9月10日の「下水道の日」を記念したイベントは日本各地の自治体で行われているが、標語コンテストや縁日などどちらかというと子供向けのイベントの多いのが実情だ。そんな中、北海道北見市では鉄蓋の展示をメインにしたイベントを行っている。
 
しかも北見市の蓋(8種類9枚)だけではなく、同じ北海道内の別の自治体(5枚)と、さらに北海道外の自治体の蓋(2枚)の展示も行っている。
 
 
 

北海道北見市「下水道の日」鉄蓋展示

逆に言うと、鉄蓋の展示以外には下水道に関するパネルの展示がある程度で、イベントとしての規模は決して大きくは無い。しかし筆者にとってはこれで必要にして十分だ。ただ、今年の展示場所は役所の片隅であり、皆さん忙しく仕事をなさっている中、鉄蓋を「なでなで」しているのは何となく落ち着かなかった。
 
とにかく以下、展示されていた鉄蓋を並べてみる。
 
 
 

北海道北見市

北海道北見市
 
大正3年に建設されたアメリカ人宣教師ジョージ・ペック・ピアソンの元私邸で、修復後は北海道遺産にも指定されている「ピアソン記念館」がデザインされた蓋。この蓋は全く同じものが2枚展示されていた。
 
 
 

北海道北見市

北海道開拓時代の貴重な資料、「とん田兵屋」がデザインされた蓋。現在の北見市が本格的に開拓され屯田兵が入植したのは明治30年からとのことだ。市内の北網圏北見文化センターには復元された屯田兵屋も展示されているという。
 
 
 

北海道北見市

「北見ハッカ記念館」がデザインされた蓋。ハッカ(薄荷)の生産はかつて北見の主要産業で、大正から昭和初期にかけて北見地方はハッカの生産で世界の7割を占めていたこともあったのだそうだ。「ハッカ記念館」は昭和58年まで稼動していたホクレン北見薄荷工場の事務所を北見駅近くに移設したもので、ハッカに関する様々な資料が展示されている。
 
 
 

北海道北見市

同じ「北見ハッカ記念館」がデザインされた白一色で彩色された蓋。先に紹介した蓋は金色に彩色されていたが、展示用だけではなく路上に実際に設置されている蓋にも金色に彩色されている蓋が多数あった。北見市はマンホールの蓋に非常に力を入れている自治体のようだ。
 
 
 

北海道北見市

「野付牛町役場」がデザインされた蓋。野付牛町は北見市の前身に当たる自治体で、昭和17年に市制を施行して北見市になっている。「野付牛」の呼称はアイヌ語の地名「ヌップケシ」なのだとか。
 
 
 

北海道北見市

さらに汚水桝の蓋も綺麗にデザインされている。デザインされているのは昭和58年に改築される前の「旧北見駅舎」。この金色に彩色された蓋も、多数路上に設置されている。
 
 
 

北海道北見市

同じ「旧北見駅舎」がデザインされた、長らく実際に使用されたと思われる蓋。
 
 
 

北海道北見市

こちらも汚水桝の蓋。特に骨董的価値があるわけではなく、現行の仕様の蓋だと思われる。上の「旧北見駅舎」の蓋を含め、展示の蓋よりも綺麗な状態の蓋が路上に多数あるので、なぜわざわざここで展示されているのかがよくわからなかった。とりあえず「長いことお疲れ様でした」とだけ言っておいた。
 
以上、北見市の蓋は8種類9枚が展示されていた。しかし市内を散策すると、北見市にはまだまだ別のデザインの蓋が見つかった。先にも書いたが北見市はマンホールの蓋に非常に力を入れている。別のデザインの蓋はまた後日紹介するつもりなのでご期待頂きたい。
 
 
 

北海道室蘭市

北海道室蘭市
 
「地球岬」と「地球岬灯台」がデザインされた室蘭市の蓋。「地球岬」の「地球」はアイヌ語で断崖を意味する「チケプ」という単語に由来した当て字なのだそうだ。
 
 
 

北海道士別市

北海道士別市
 
広大な「田園風景」と「サフォーク羊」がデザインされた士別市の蓋。士別市は羊のまちとして有名で、「羊と雲の丘」や「めん羊牧場」といった観光施設も立地する。
 
 
 

北海道夕張市

北海道夕張市
 
毎年市内で開催されている「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」のキャラクター、「シネガー」がデザインされた夕張市の蓋。右手に「かちんこ」、左手に「夕張メロン」を持っている。バリバリゆうばり。
 
 
 

北海道夕張市

蓋の裏側には「寄贈 夕張市建設部下水道部(課?)」と書かれていた。すなわち、これら北見市以外の蓋も、所有者は北見市ということになる。他自治体の蓋までコレクションしてしまう北見市、本当にマンホールの蓋が大好きなようだ。
 
 
 

北海道広尾郡広尾町

北海道広尾郡広尾町
 
「広尾サンタランド」のイメージがデザインされている広尾町の蓋。「サンタランド」というと、現在は存在しない青森県岩崎村の「サンタランド白神」が思い出されるが、サンタランドの歴史はこちら広尾町の方が古く、また現在も途切れることなく活動を続けている。
 
同じ「サンタランド」という名前だが、北海道広尾町はノルウェーのサンタクロース、青森県岩崎村はフィンランドのサンタクロースなのだそうだ。サンタクロースにも宗派があるとは知らなかった。
 
 
 

北海道阿寒郡阿寒町

北海道阿寒郡阿寒町(現 釧路市)
 
「タンチョウ」と「阿寒湖」の「マリモ」がデザインされた阿寒町の蓋。
 
なお、阿寒町は2005年10月11日に釧路市、音別町との新設合併により、新しい釧路市になっている。

 
ここまで、北見市以外の北海道内の自治体の蓋は5枚展示されていた。
 
 
 

千葉県松戸市

千葉県松戸市
 
市の木「ユーカリ」と「コアラ」の親子がデザインされた千葉県松戸市の蓋。松戸市の姉妹都市、オーストラリアのホワイトホース市に因んだデザインになっている。
 
 
 

兵庫県芦屋市

兵庫県芦屋市
 
市の木「クロマツ」と市内を流れる川の「清流」をイメージしたという、兵庫県芦屋市の蓋。
 
北海道外の自治体の蓋までコレクションしている。どういう経緯でこれらの蓋を入手したのか、担当の方に話をうかがいたかったのだが、月曜の朝ということで皆さん忙しそうだったので遠慮した。それにしてもこのコレクションは素晴らしい。
 
 
 

全国マンホールのふたコレクション 名物・祭編

実物の蓋の他にも、様々な自治体の蓋のデザインがパネルで紹介されていた。こちらは「名物・祭編」。
 
 
 

全国マンホールのふたコレクション 風景編

さらに「風景編」。
 
 
 

全国マンホールのふたコレクション 動物・魚編

「動物・魚編」も。これらのパネルだけでもずいぶん力が入っている。
 
 
 

北見市役所桜町仮庁舎

展示場所の北見市役所桜町仮庁舎。例年展示は市の分庁舎が入っている駅前の商業ビル「パラボ/まちきた大通ビル」で行われていたようだが、今年は市役所本庁舎の解体作業の影響か、駅から少し離れたこの仮庁舎で行われた。
 
折角のコレクションなので、今後もコレクションを増やしつつ、毎年展示を開催して欲しいと思う。
 
 
 
関連リンク
  ●この日の管理人のつぶやき(Twitter)
  ●下水道の日について(北見市ホームページ)
  ●オホブラ百貨店・STAFFの独り言さん
  ●パコ北見 ホテルスタッフブログさん
  ●経済の伝書鳩さん
 



郡山公会堂 ~福島県郡山市


福島県郡山市

福島県郡山市
 
市の花「ハナカツミ(ヒメシャガ)」、市の木「ヤマザクラ」と「郡山市郡山公会堂」がデザインされている。中央下部に「水」の文字、さらにその下に「空気弁」と書かれているので上水道に関わる設備の蓋だ。
 
 
 

福島県郡山市

こちらは市の花「ハナカツミ」のみがデザインされた消火栓の蓋。
 
 
 

福島県郡山市

同じく市の花「ハナカツミ」のみがデザインされた防火水槽の蓋。
 
 
 

福島県郡山市福島県郡山市福島県郡山市

制水弁の蓋と思われる小型の蓋にも市のシンボルがデザインされている。左からそれぞれ市の花「ハナカツミ」、市の木「ヤマザクラ」、市の鳥「カッコウ」がデザインされている。
 
 
 

郡山駅

郡山駅。東北新幹線と東北本線、磐越西線、磐越東線の駅で、「機能的かつ都会的な美しい駅前広場のある駅」として東北の駅百選に選定されている。
 
 
 

ジョイフルトレイン「ふるさと」

その郡山駅に留置されていたなんだか派手な色使いの列車。「ふるさと」という名前のお座敷列車なのだそうだ。
 
以上、撮影は全て2009年10月。
 
 
 

郡山市郡山公会堂福島県郡山市

蓋にデザインされている「郡山市郡山公会堂」。大正13年9月の市制施行を記念して同年10月に完成した公会堂で、国の登録有形文化財にも登録されている。(† Wikipediaより取得。作者: Proshikok、利用許可:パブリックドメイン)
 
 
 
関連リンク
  ●福島県郡山市(駅からマンホール:2011/09/21)
  ●マンホール博物館さん
  ●アコログさん
 



福島県郡山市


福島県郡山市

福島県郡山市
 
左上から時計回りに、市の花「ハナカツミ」、市の木「ヤマザクラ」の花、市の鳥「カッコウ」がデザインされている。図柄を3つに分けているメルセデスベンツのマークのような区切り線は、「山」の字を図案化した郡山市の市章だ。
 
なお、市の花に指定されている「ハナカツミ」とは、ツチノコのような、あるいはゴダイゴが歌うガンダーラのような幻の花なのだそうだが、郡山市ではこの幻の花をアヤメ科の植物「ヒメシャガ」ということにして市の花に指定している。
 
 
 

福島県郡山市福島県郡山市

こちらは単色で彩色された蓋。小さい蓋の「カッコウ」の表情が何ともいえない。
 
 
 

福島県郡山市 福島県郡山市

さらに小型の蓋。どちらも単色で彩色されているが、凹凸が異なっている。あと左側の蓋の「カッコウ」の目が大きすぎる。
 
 
 

福島県郡山市

こちらは彩色されていない蓋。彩色された蓋とは凹凸が異なっている。
 
 
 

福島県郡山市

市章の入った古そうな蓋。穴の数と配置は名古屋市型模様の蓋と同じだが、各ブロックの間に隙間が入った独特のデザインだ。
 
 
 

歩く鳥?

郡山駅周辺で見つけた鳥?のオブジェ。筆者は芸術についての造詣は全く持ち合わせていないが、こういうのは大好きだ。
 
 
以上、撮影は全て2009年10月。
 
 
 
関連リンク
  ●福島県郡山市(駅からマンホール:2011/09/22)
  ●鯛の尻尾を奪い取れさん
  ●歩鉄の達人さん
  ●るるぷぅAizuさん
  ●日本マンホール蓋学会さん
  ●マンホール博物館さん
  ●あふれる笑顔・爽やかな日々さん
 



下水道デーイベント ~ マンホールと向こう側


ベルリンのマンホール 足下(あしもと)の文化

下水道デーイベント「マンホールと向こう側」
 
毎年恒例になっている東京都下水道局の下水道デーイベントが今年も開催されている。「マンホールと向こう側 ~まだ見ぬ世界とその入り口~」と題され、8月29日から9月4日までは立川市役所で、9月9日から9月15日までは都庁第一本庁舎南展望室で、9月17日から9月30日までは都立中央図書館で開催される。入場は無料。
 
今年は日独交流150周年ということで、友好都市であるベルリン市内で撮影された蓋の写真34枚も展示されており、これだけでも十分ボリュームがある。(展示の名前は「ベルリンのマンホール 足下(あしもと)の文化」)
 
 
 

東京静脈漂流

さらに「東京静脈漂流」の展示も。こちらは例年とほぼ同じく白汚零氏の撮影による美しい下水道の写真が展示されている。
 
 
 

3.11大震災と下水道

また、都庁第一本庁舎南展望室では9月15日まで、「3.11大震災と下水道」という特別展示も併せて開催されている。
 
 
 

東京都庁第一本庁舎南展望室からの眺望

東京都庁第一本庁舎南展望室からの眺望

都庁展望室からの眺望。都庁展望室での展示は明日9月15日を残すのみだが、この風景と特別展示とを一緒に楽しめるので、お時間に都合のつく方は是非ご覧になってみてほしい。なお、先にも書いたが、「ベルリンのマンホール 足下(あしもと)の文化」と「東京静脈漂流」の展示は、9月17日から9月30日まで場所を変えて都立中央図書館で開催される予定だ。
 
 
 

小冊子

さらにアンケートに答えると、展示写真を収録した小冊子をもらえる。(筆者は立川市役所と都庁展望室とでそれぞれ1冊ずつ頂いた)
 
 
 
関連リンク
  ●地下探訪(駅からマンホール:2009/09/10)
  ●東京ワンダーグラウンド(駅からマンホール:2010/09/10)
  ●白汚零 写真展「虚」(駅からマンホール:2013/10/24)
  ●下水道デーイベント開催のお知らせ(東京都下水道局)
  ●月刊 もぐらカメラ(白汚零)さん
 



下水構え ~ 秋田県秋田市


秋田県秋田市

秋田県秋田市
 
毎年8月3日~6日に行われる「秋田竿燈(かんとう)まつり」に使われる「竿燈」がデザインされている。
 
蓋の鍵穴部分が上に、蝶番部分が下に来ており、何となく上下が逆のような気もするが、図柄としてはこの向きが正しい。蓋の向きはともかく、今回はこの蓋の紋章部分に少しだけ注目をしてみる。
 
 
 

秋田県秋田市東京府王子町東京都武蔵野市愛知県豊橋市

左から秋田市、東京府王子町東京都武蔵野市、愛知県豊橋市の蓋の紋章部分を拡大してみた。それぞれ、自治体の紋章を「下水」の文字が取り囲んだデザイン(俗に言う「下水構え」)になっており、非常によく似ている。以前上水道の蓋に関して「Y.W.W. と N.W.W. ~ 蓋の親戚関係」という記事を書いたが、この4つの自治体の下水道事業創設に関しても何かしら共通する点があるのかもしれない。それを確認するには、それぞれの自治体の下水道創設時の記録を調査しないとならない。折を見て調査してみたいと考えてはいるが、誰かがやってくれるのであればそれはそれで嬉しいので、誰かどうぞ、是非
 
追記
マンホールのふた 日本篇(林丈二 サイエンティスト社)によると、秋田市の下水道の起工は昭和7年6月、竣工は昭和12年3月で、下水マークは昭和30年より利用されているとのことです。
 
 
 

東京市下水改良事務所岩手県盛岡市山形県山形市
山形県米沢市茨城県勝田市長野県松本市建設省

「下水構え」に関しては、明治44年10月に告示された東京市下水改良事務所の紋章を祖とするらしいものも各地で見られ、筆者岩手県盛岡市山形県山形市山形県米沢市茨城県勝田市長野県松本市、さらに建設省の蓋で確認している。他にもあれば是非情報をお寄せいただきたい。
 
 

下水構えを採用している自治体の簡易まとめを

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秋田県秋田市

話を秋田市の蓋に戻し、こちらは「秋田(ふき)」がデザインされた蓋。高さ2mにもなる巨大なフキなのだそうだ。こちらは市章のみで「下水構え」は無い。
 
 
 

秋田駅

秋田駅。秋田新幹線と羽越本線の終着駅で、奥羽本線も乗り入れている。「日本海のうねりや秋田の山並みをモチーフにした波形の屋根が印象的な駅舎」として、東北の駅百選に選定されている。
 
 
 

竿燈竿燈

駅舎内には、蓋にもデザインされている「竿燈(かんとう)」が飾られていた。大きなものは長さ12mもあるのだという。
 
 
 

千秋公園のお堀

駅に程近い千秋公園(久保田城址)のお堀。久保田城は久保田藩主佐竹氏の居城で、秋田市はこの城下町を中心に栄えてきた。
 
 
 

千秋公園 本丸跡

久保田城の本丸跡付近の風景。廃藩置県の際には本丸に県庁が置かれたが、明治13年の大火により消失し現在は残っていない。公園内には、平成に入ってから本丸表門と本丸新兵具隅櫓が復元されている。
 
以上、撮影は全て2009年8月。
 
 
 
関連リンク
  ●おっくんブログさん
  ●おらほのマンホールの蓋&風景さん
  ●マンホール友の会さん