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住宅・都市整備公団


住宅・都市整備公団

住宅・都市整備公団(現 都市再生機構)
 
1981年10月に設立し、1999年10月に解散した住宅・都市整備公団の紋章が入った蓋。茨城県つくば市内の公道上で見つけた。住宅・都市整備公団は、住宅・都市整備公団法に基づいた特殊法人で、集団住宅や宅地の供給、市街地開発などを行っていた。それ以前に存在していた日本住宅公団と宅地開発公団の業務を引き継ぐ形で設立されており、解散後の業務は都市基盤整備公団を経て都市再生機構(UR都市機構)に継承されている。
 
 
 

住宅・都市整備公団2000形電車

こちらは住宅・都市整備公団2000形電車。住宅・都市整備公団は、千葉ニュータウンの開発に伴い鉄道路線も保有していた。前面と側面には、住宅・都市整備公団の紋章が取り付けられている。現在は千葉ニュータウン鉄道9000形電車として北総鉄道北総線を走っているが、この紋章は1999年の解散時に取り外されている。(† Wikipediaより取得。作者:Cassiopeia sweet、利用許可:パブリックドメイン)
 
 
 
関連リンク
  ●日本住宅公団(駅からマンホール:2011/02/27)
  ●スコティッシュ・フォールドのひとりごとさん
 



多摩センター ~ 東京都多摩市


東京都多摩市

東京都多摩市
 
「多摩川」に遡上して産卵する「サケ」がデザインされている。「イクラ」もちゃんとデザインされているが、近年の多摩川に確認されている「サケ」は人為的に放流した稚魚が海で成長して回帰したもので、自然のものではない。気候が寒冷だった縄文時代草創期の前田耕地遺跡(あきる野市)からサケの頭部の骨片が多数発掘された例はあるものの、長きに渡って多摩川にサケは遡上していなかったため、本来の生息域ではない水域に稚魚を放流することには反対意見も数多くあったようだ。稚魚の放流は「多摩川サケの会」を中心に行われていたが、この会は昨年2月に活動を休止しているため、今後多摩川で「サケ」が見られることはなくなるものと思われる。
 
蓋の構図の背後には「富士山」も見える。また、蓋にデザインされている橋は多摩市で唯一多摩川に架かる車道橋、「関戸橋」であると思われる。
 
 
 

東京都多摩市

こちらは彩色されていない蓋。一部凹凸が異なっている。
 
 
 

東京都多摩市

こちらも彩色されていない蓋だが、彩色された蓋と同じ凹凸の蓋。彩色しないと何がデザインされているのかわかりにくい。
 
 
 

東京都多摩市東京都多摩市

彩色されていない2種類の蓋を比較。右の蓋は彩色することを前提にした鋳型で造ったものの、何故か彩色されないまま設置されてしまったのではないかと想像してみたが、その割りに設置されている数が多かったので、多分間違った想像だと思う。
 
 
 

東京都多摩市

こちらは「長靴」と「傘」がデザインされた蓋。
 
 
 

東京都多摩市

同じ構成で彩色されていない蓋。彩色された蓋とは一部凹凸が異なっている。
 
 
 

東京都多摩市

「長靴」と「傘」の蓋にも、彩色された蓋と同じ凹凸で彩色されていない蓋があった。
 
 
 

東京都多摩市東京都多摩市

折角なのでまた比較。「傘」の部分の凹凸だけでなく、地紋の網目の大きさも異なっている。
 
 
 

東京都多摩市

こちらは市章が入った蓋。「傘」が小さくデザインされているので雨水管マンホールの蓋なのだと思われる。
 
 
 

東京都多摩市   東京都多摩市

汚水管用の蓋には、水道の「蛇口」とトイレの「便器」がデザインされている。わかりやすいようなわかりにくいような。
 
 
 

東京都多摩市

さらに「清掃」と書かれたちょっと大きめの蓋もあった。
 
 
 

グリーンライブセンター

多摩よこやまの道」を抜け、多摩センター地区に入った。写真は多摩市立グリーンライブセンターの温室。背後の大きなビルはベネッセコーポレーション(進研ゼミ)の東京ビル。
 
 
 

サンリオピューロランド

多摩センターといえばサンリオピューロランドも有名。
 
 
 

多摩センター駅

多摩センター駅に到着。写真は京王・小田急の駅舎。
 
 
 

多摩センター駅

多摩センター駅には多摩都市モノレールも乗り入れている。小田急線は新百合ヶ丘駅、京王線は調布駅と橋本駅、多摩都市モノレールは立川駅へ通じている。
 
 
 

関戸橋

蓋にデザインされているらしい「関戸橋」。関戸橋フリーマーケットが開催されており多くの人で賑わっている。(† Wikipediaより取得し加工。作者:FITM、利用許可:cc-by-sa-3.0)
 
 
 
関連リンク
  ●この日の管理人のつぶやき(Twitter)
  ●風景印・小型印・FDC紹介さん
  ●武蔵野・多摩MTB散歩さん
  ●鯛の尻尾を奪い取れさん
  ●マンホール友の会さん
 



多摩ニュータウン


多摩ニュータウン

多摩ニュータウン
 
「N」の字を中心に据えた紋章が入った蓋。調べてみたが、この紋章が多摩ニュータウンのものなのかどうかは判明しなかった。なお、この紋章が入った蓋は、多摩ニュータウンの多摩市域、諏訪・永山地区と多摩センター駅南側の多摩センター地区に設置されているようだ。これらの地区は計画初期に開発が進められた地域で、1971年3月に第1次入居(多摩ニュータウン全体での)が開始されている。
 
頑張って目を凝らすと上半分は「T」と「M」を組み合わせたもの、下は「T」の文字に見えなくもない。(全部併せて「TM・N・T」で多摩ニュータウン。単純に「T・N・T」でもいいけど)
 
 
 

多摩ニュータウン

こちらは地紋の凹凸が逆になっている蓋。
 
 
 

多摩ニュータウン

なぜか紋章部分が削り取られた蓋も多数あった。
 
 
 

多摩よこやまの道

稲城市を抜けて多摩市に入ると、歩きやすい尾根道に出た。この尾根道は江戸に都市ができる前、東国と都とを結んでいた古代東海道の一部とも考えられており、「多摩よこやまの道」として整備されている。なかなかいい雰囲気。
 
 
 

防人見返りの峠から

多摩よこやまの道の途中、防人見返りの峠からの眺望。多摩ニュータウンが開かれた多摩丘陵を一望できる。天気がよければこの方向に富士山も見えたはずだ。
 
 
 
関連リンク
  ●この日の管理人のつぶやき(Twitter)
  ●多摩ニュータウン(Wikipedia)
 



東京都稲城市


東京都稲城市

東京都稲城市
 
市の木「イチョウ」の葉がデザインされている。前回掲載した蓋には紅い葉がデザインされていたが、こちらは自然な色使いの葉っぱだ。
 
 
 

東京都稲城市

色違いの蓋。
 
 
 

東京都稲城市

彩色されていない蓋は凹凸が逆になっている。
 
 
 

東京都稲城市東京都稲城市

小型の蓋2種。
 
 
 

東京都稲城市

こちらは金色の矢印が入った蓋。路上には様々な方向を向いた矢印の入った蓋が見られた。勾配(下水道の方向)を表しているのかもしれない。下部に「おすいNT」と書かれているが、「NT」はニュータウン(多摩ニュータウン)を指すのだと思われる。
 
 
 

東京都稲城市

市章が入った公共基準点の蓋。
 
 
 

東京都稲城市

こちらはYouTubeのメンテナンス画面で世界デビューした消防士がデザインされた消火栓の蓋。市の名産品で市の花にも指定されている「ナシ」の実が周囲を取り巻いている。大きな「i」の文字に「Yes! いなぎ」と書かれているが、これは市のシンボルマークだ。
 
 
 

日豊金属工業

プレート部分は前回の記事で取り上げた日豊金属工業株式会社の特徴を持っている。部品を外注していたという可能性もあるので断言はできないが、この消防士のデザインの蓋も日豊金属工業の製品なのかもしれない。「Yes! いなぎ」のシンボルマークの制定は平成8年(1996年)とのことなので、2002年に倒産した日豊金属工業の製品だとしても矛盾は無い。
 
同じ消防士がデザインされた蓋は、港区府中市で確認している。
 
 
 

南多摩駅

この日は南武線の南多摩駅から、多摩丘陵に広がる多摩ニュータウンを歩いた。
 
 
 

城山公園

城山公園。「九の丸」の碑が見えるが、ここに有名な城があったというわけではないようだった。「稲城」の地名も明治以降に考案されたもので、そのような名前の城があったというわけではない。ただ、この地域には古く(縄文時代)から人が住んでいたようで、幾つもの山城跡があり、この城山公園もそのひとつなのだと思われる。
 
 
 

稲城中央公園

稲城中央公園のグラウンド。「INAGI」の植え込み文字が映える。
 
 
 

多摩ニュータウン

多摩ニュータウンの風景。多摩ニュータウンは稲城市・多摩市・八王子市町田市にまたがる大規模なニュータウンで、稲城市域の開発は様々な要因から遅れたのだそうだ。しかし、先行して開発された多摩市域の経験と反省を生かし、緑を残して広大な公園を造ったり、自家用車の利用に配慮した街造りを行ったりしている。
 
 
 

へびが出ます  マムシに注意

そういった経緯から多摩ニュータウンの稲城市域には緑が多く残っており、公園内にはへびやマムシも出るようだ。
 
 
 
関連リンク
  ●この日の管理人のつぶやき(Twitter)
  ●東京都稲城市(駅からマンホール:2010/11/10)
 



日豊金属工業株式会社


日豊金属工業株式会社

日豊金属工業株式会社
 
千葉県松戸市の蓋。中央に市章が入っている。今回はこの蓋の製造元、日豊金属工業株式会社を軸に、その製品の特徴を考察しつつ蓋を鑑賞してみる。
 
まず断っておかねばならない事がひとつ。日豊金属工業は2002年2月25日に東京地裁へ自己破産の申立てを行っており、現在は存在しない倒産した会社だ。従って、今回の記事に掲載する特徴を持った蓋はもう新設されることはなく、今後は撤去され行くのみの運命ということになる。
 
日豊金属工業の創業は明治17年(1884年)2月で、鉄蓋業界の中ではかなりの老舗企業だった。本社は東京都墨田区に所在し、その製品は関連会社の日豊金属興業㈱に卸され、日豊金属興業が各自治体に販売するという販売形態を取っていたようだ。その日豊金属興業も2002年2月25日に、日豊金属工業の自己破産の申立てと同時に再生手続開始の申立てを行っている。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

早速、日豊金属工業の鉄蓋製品の特徴を見てみる。最も特徴的なのは、このちょっとかわいらしい滑り止めのパターンだ。六角形を基調としたデザインになっている。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

続いて蓋の下部にある鍵穴部分を見てみる。それほど目立った特長はないが、中央の丸い窪みが目に付く。これは恐らく蓋の磨耗を判断するための工夫で、タイヤのスリップサインと同じ役割をしているのではないかと思われる。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

続いて受け枠部分に注目してみる。凹部分は細長く伸ばした六角形を繋げた形になっており、ソーセージのように見える。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

こちらは成田市役所新庁舎落成を記念した千葉県成田市の蓋だが、受け枠部分の特徴から日豊金属工業の製品ではないかと推測される。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

受け枠部分を拡大。凹部分が細長い六角形を繋げた形になっている。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

同じく成田市の蓋。最初に掲載した松戸市の蓋とは鍵穴の配置が異なるが、それ以外は同じ特徴を備えている。
 
 
 

神奈川県横浜市神奈川県横浜市

似た地紋の神奈川県横浜市の蓋。こちらは日豊金属工業の製品ではなく、横浜の「Y」と「O」の文字を基調とした地紋の蓋で、日之出水道機器㈱が横浜市のために考案したデザインとのことだ。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

こちらは千葉県我孫子市の蓋。受け枠部分の形状からこの蓋も日豊金属工業の製品だと推測される。蓋の地紋は東京市型(JIS模様)で、各社で広く製造されている地紋だが、細部に注目すると同じ東京市型地紋の蓋でも製造会社によって個性があるという。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

日豊金属工業の製造した東京市型地紋の蓋の特徴は、蓋の上部が一箇所だけ丸ではなく四角になっていることだ。同形式の蓋は他に、東京都足立区の蓋を掲載したことがある。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

こちらは親子蓋になっている千葉県市原市の蓋。親蓋の地紋からこの蓋も日豊金属工業の製品だと推測される。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

子蓋の鍵穴部分を拡大。四角い形をしているが、これも日豊金属工業の特徴だといえる。同じ形状をしたした蓋として、千葉県市原市(ウグイス)千葉県成田市(ウメとアジサイ)の蓋を挙げておく。
 
 
 

日豊金属工業株式会社日豊金属工業株式会社

小型の蓋2種。左は茨城県結城市、右は千葉県成田市の蓋。地紋の特徴と鍵穴部分の形状が日豊金属工業のものだ。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

こちらは下水道ふれあいプラザで撮影した大阪府羽曳野市の蓋。地紋と受け枠に日豊金属工業の特徴が見える。鍵穴の配置は先に掲載した千葉県我孫子市の東京市型地紋の蓋と同じで、これも日豊金属工業の特徴と言えるかもしれない。
 
日豊金属工業は販売元の日豊金属興業とともに東京都墨田区に本社を置いており、製品を採用していた自治体も千葉県や茨城県など関東を中心に広がっていたようだが、このように関西で採用された実績も持っているようだ。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

こちらは神奈川県二宮町の蓋。雨水用なのか、穴が幾つか開いている。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

こちらは埼玉県南水道の消火栓の蓋。蓋の地紋から日豊金属工業の製品だと推測される。蓋の周囲(黄色い部分)には小さな六角形が2列に並んでいるが、これも日豊金属工業の特徴と言える。蓋の下部にある鍵穴部分も特徴的な形状になっている。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

こちらは千葉県印西市の消火栓の蓋。市の花「コスモス」がデザインされているため、地紋から判断することはできないが、先に掲載した埼玉県南水道の蓋との類似から、この蓋も日豊金属工業の製品であると類推される。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

同じく千葉県印西市の排水栓の蓋。記号や数字のプレートをはめ込むことのできる、比較的新しいタイプの蓋だ。2列に並ぶ六角形の特徴から、この蓋も日豊金属工業の製品であると思われる。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

プレート部分を拡大。東京都の下水道の蓋に、プラスチック製のキャップを用いて用途や敷設年といった情報を記載するようになったのが平成13年(2001年)4月からとのことなので、この蓋も恐らくは破産直前の2000年前後の仕様なのではないかと思われる。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

こちらは千葉県勝浦市の上水道の蓋。プレートの形状からこの蓋も日豊金属工業の製品であると思われる。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

地紋を拡大。日豊金属工業の頭文字「N」を図案化したのだとすると納得できるかな?
 
 
 

日豊金属工業株式会社

こちらは神奈川県横浜市の消火栓の蓋。プレートの形状、地紋、周囲の模様の類似から、この蓋も日豊金属工業のものだと類推できる。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

東京都保谷市で見つけたこの消火栓の蓋も、プレートの形状から日豊金属工業の製品であると思われる。同じ形の消防車がデザインされた消火栓の蓋を新潟県岩室村で見つけたこともある。
 
 
 

日豊金属工業株式会社

ここまでの推測が正しいのであれば、埼玉県さいたま市のこの防火水槽の蓋も日豊金属工業の製品であると類推できる。さいたま市の発足は2001年5月1日。この蓋が日豊金属工業の製品であるならば、倒産する直前に製造されたことになるが、一応矛盾は無い。
 
 
以上、最後の方は類推を重ねすぎた嫌いもあるが、現在は存在しない鉄蓋製造会社、日豊金属工業の製品の特徴を纏めてみた。少なくとも記事の最初で言及した、「六角形を基調としたちょっとかわいらしい滑り止めのパターン」が日豊金属工業の製品であることは確かなので、もしどこかでその蓋を見つけたら、消え行く運命にあるその模様をじっくり観察してみて欲しい。
 
 
 
関連リンク
  ●千葉県成田市(駅からマンホール:2007/12/27)
  ●千葉県成田市(駅からマンホール:2009/11/03)
  ●千葉県市原市(駅からマンホール:2007/11/24)
  ●千葉県印西市(駅からマンホール:2007/11/10)
  ●埼玉県南水道企業団(駅からマンホール:2007/09/02)
  ●大阪府羽曳野市(駅からマンホール:2009/11/29)
  ●神奈川県二宮町(駅からマンホール:2009/10/24)
  ●千葉県勝浦市(駅からマンホール:2008/03/02)