下水君100周年記念企画 ~ コンクリート蓋


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コンクリート蓋
 
下水君100周年記念企画の第6回。今回はコンクリート蓋を取り上げる。最初の写真はダイヤ型の穴が放射状に並ぶ蓋。以前東京府の蓋で同じタイプの蓋を紹介したことがあるが、このタイプのものは最も古いタイプの鉄筋コンクリート蓋なのだそうだ。
 
 
 

実用新案出願公告S10-7600 鉄筋コンクリート蓋

鉄筋を組み込んだコンクリート蓋は、昭和初期に森勝吉氏が発明しており、実用新案出願公告(昭和10年7600号)でその骨組みの図を確認できる。
 
 
 

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こちらは次に古いと思われるタイプの蓋。周囲に8つの穴が並び、下水君の周りの鉄枠もお洒落だ。
 
 
 

実用新案出願公告S10-7600 鉄筋コンクリート蓋

このタイプの蓋も森勝吉氏の発明で、実用新案出願公告(昭和15年6145号)で骨組みの図を確認できる。ダイヤ穴の蓋と比べると鉄骨の総重量が少なくなっているようだが、円形の鉄枠と鉄線とを組み合わせて強度を持たせた形状になっているのがわかる。実用新案では、強度と軽さとを兼ね備えた点を強調しているようだ。
 
 

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こちらは同じタイプだが都章の中央の丸に穴(凹み)のある蓋。いずれにせよ都章(東京市章)のトゲの長さが本来の姿よりも短い。
 
 
 

下水君下水君(穴あき)

下水君部分の比較。どちらの下水君も、都章のトゲは短いだけでなく細くなっており、どことなく可愛らしい。
 
 
 

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年代は不明だが古そうな蓋。穴が12個も並んでいる。穴の形状も変化しており、水はけをよくするためか広口になっている。
 
 
 

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同じタイプの蓋だが劣化が進み鉄筋がむき出しになりつつあるもの。先に紹介した穴が8つの蓋では放射状に鉄筋が組まれていたが、この蓋の鉄骨は横向きになっているようだ。見えない部分には縦方向の鉄筋もあるのではないかと想像される。現行のコンクリート蓋は格子状の鉄筋を組み込んで造られているので、この蓋はその発展途中にあたる蓋ではないかと思われる。
 
 
 

皇居前広場

これらの蓋は皇居前広場で見ることができる。皇居前広場周辺では警察電話の蓋や紋章が少し怪しい東京電燈の蓋、何の関係もないであろう航空局の蓋やJRと書かれた空気弁の蓋など、他ではあまり見ることのできない蓋をたくさん見ることができるので、蓋好きにとっても散策には面白い場所だ。
 
 
 

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中央部の鉄枠と下水君とが融合していて、さらに細口の穴が4つの蓋。夢の入口でさんからコメントで情報を頂いて撮影してきたので追記。
 
 
 

下水君

下水君部分があまりにもかっこよかったので思わず拡大。
 
 
 

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こちらは広口の穴が6つある蓋。中央に穴の開いた短足の都章が入った下水君だ。長期間にわたって製造・設置されていたようで、現在でも路上でよく見かけるタイプの蓋だ。数が多いので細かな違いがたくさんあるかと写真を見返してみたのだが、意外にバラエティは少ないようだった。経年変化による違いは見られるものの、わかりやすい違いはなく、もともとは全て同じ形をしているように見えた。
 
 
 

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都章が本来の形になった下水君。コンクリート蓋も東京市型鉄蓋と同じ変遷を辿っているのだとすれば、昭和44年より設置され始めたことになる。
 
 
 

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こちらのは都章の中央の丸に窪みのある下水君。
 
 
 

下水君下水君(窪み)

念のために下水君部分を拡大して比較。右側の都章の中央部は確かに窪んでいる。
 
 
 

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都章のトゲトゲに「汚」の字が入ったトゲまる汚水蓋。
 
 
 

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同じくトゲまる雨水蓋。「汚」・「雨」の配置のテキトーさ加減に好感が持てる。
 
 
 

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こちらは線の細い都章の下水君。
 
 
 

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さらにスレンダーになった下水君。
 
 
 

東京都下水道局紋章東京都下水道局紋章東京都下水道局紋章

下水君の比較。一番左側の下水君に入った都章が本来の姿の都章だ。
 
 
 

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比較的新しい蓋。穴が細くなっている。コンクリート蓋の穴の形状と数は、年代順に並べると、ダイヤ型16穴 → 細口8穴 → 広口6穴 → 細口6穴、という変遷を経ているようだ。 広口12穴や細口4穴の蓋は、マンホールのふた 日本篇(林丈二 サイエンティスト社)にも数は多くないとの記述があるが、年代は(古いことは確かだが)はっきりしない。なお、同書には他にも3方向に2穴ずつ纏まった6穴の蓋も記載されている。
 
 
 

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都章の中央に窪みのあるもの。
 
 
 

下水君下水君(窪み)

下水君部分を拡大して比較。右側の都章の中央部は窪んでいるには窪んでいるが、浅い窪みのようだ。ただ、右側の下水君の下水構えは少し幅が狭いように感じる。
 
 
 

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こちらはやや小型の蓋で、汚水ますの蓋だと思われる。外周から鍵穴にかけて細い鉄枠が見える。
 
 
 

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似た形だが、外周から鍵穴にかけての鉄枠の無いもの。この蓋は蔵前水の館に屋外展示されている蓋のひとつだ。
 
 
 

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網タイツを纏った下水君。やはり小型の蓋で、汚水ますの蓋だと思われる。
 
 
 

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ほとんど同じ形だが、格子の交点上に小さな突起が並んでいる蓋。コンクリート蓋も実に多種多様だ。
 
 
 
追記

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こちらの蓋にはNTTのマークが入ったシールが貼り付けられている。恐らく光ケーブルが下水管内に設置されているのだと思われる。
 
 
 

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周辺の桜コンクリート蓋にも同じシールが貼られていた。
 
 
 
関連リンク
  ●下水君100周年記念企画01 ~ 東京市型鉄蓋
  ●下水君100周年記念企画02 ~ 日之出水道機器株式会社
  ●下水君100周年記念企画03 ~ 鉄蓋工業株式会社
  ●下水君100周年記念企画04 ~ 変則東京市型
  ●下水君100周年記念企画05 ~ デザイン蓋
  ●下水君100周年記念企画07 ~ 化粧蓋
  ●下水君100周年記念企画08 ~ L型汚水桝・雨水桝蓋
  ●下水君100周年記念企画09 ~ 汚水桝・雨水桝鉄蓋
  ●下水君100周年記念企画10 ~ 特殊人孔鉄蓋
  ●下水君100周年記念企画11 ~ 自働洗滌槽
  ●下水君100周年記念企画12 ~ 燈孔蓋
  ●下水君100周年記念企画13 ~ 中水道
  ●下水君100周年記念企画14 ~ その他の蓋
  ●下水君100周年記念企画15 ~ 送泥管
  ●下水君100周年記念企画16 ~ 私設下水道施設檢査證章標、他
  ●下水君100周年記念企画17 ~ 縁石、縁塊等
  ●下水君100周年記念企画18 ~ 鉄蓋虐待