送水口ウォーク・中編


日本橋一丁目ビルディング

送水口ウォーク・中編
 
春分の日に開催された送水口ウォークの中編。前編で参加者一行は比較的規模の小さな建物に付属する送水口を見て回り送水口の基礎を学んだが、次第に日本橋の中心街、規模の大きな建物が並ぶ区域に進んだ。この写真は2004年竣工の日本橋一丁目ビルディング(COREDO日本橋)の送水口と採水口だ。連結送水管送水口が4口、スプリンクラー設備用の送水口が中層用(4F~20F)・低層用(B4F~3F)各2口ずつの計4口、採水口が2口並んでいる。さらに左右にはインターホンや無線機の接続端子、ケーブル取出口など、消火作業に必要なものが1か所に纏められている。これぞ機能美。
 
スプリンクラー設備用の送水口は今回の送水口ウォークでは初めての登場だ。ここから送水すると建物内のスプリンクラーから放水される仕組みになっているが、基本的には地下街や地下階の消火の為に設置されるものなのだそうだ。
 
 
 

旭洋ビル

永代通りを渡り1961年竣工の旭洋ビルへ。写真左に「送水口(連結散水設備用)」と書かれたスタンド式の送水口が、右奥には壁埋設型の連結送水管送水口が設置されている。連結散水設備とはスプリンクラーのことで、階数や区画毎に複数の連結散水設備送水口があることを示すプレートも設置されている。
 
 
 

旭洋ビル

建物の別の面に回ると確かに別の連結散水設備送水口が設置されていた。こちらは壁埋設型だ。
 
 
 

旭洋ビル

さらに別の送水口も3組。この建物には、連結送水管送水口(壁埋設型)、連結散水設備送水口(スタンド型、地下2階用)、連結散水設備送水口(壁埋設型、地下1階用・4組)と、4か所に計6組の送水口が設置されていることになる。冒頭に掲載した日本橋一丁目ビルディングの送水口と比べると機能性に劣るが、逆に言えば年を追うごとにより進化していることがよくわかる。
 
 
 

(廃道)再開発反対

途中「(廃道)再開発反対」との看板が掲げられた建物があった。高度成長期の時代に迷い込んだようだ。この辺りは今月より大規模な再開発が始まっており、先月開催の送水口ウォークではこの街並みの最後の姿を見て回ったことになる。
 
 
 

地下配管図

この写真は今年の2月初めに撮影したものだが、今回同じ道を歩いた。絵心があって面白いが、それ以上に地下に様々なものが埋設されていることに今更ながら驚かさされる。
 
 
 

NTT東日本

NTTの蓋からは T と書かれた管がたくさん伸びている。T は Telephone のことだと想像される。電話だけで7本の管がここに埋設されていることが蓋を開けなくても見て取れる。
 
 
 

日本橋髙島屋 新館

箱入の送水口。
 
 
 

日本橋髙島屋 新館

この送水口は日本橋髙島屋新館のもの。髙島屋セミナーの第1回マンホール講座はこの建物で開催されたので、筆者にとっては馴染み深い場所だが、この建物も再開発に伴い取り壊されることが決まっている。
 
 
 

日本橋髙島屋 新館

この送水口の中で目を引くのは、右端にある「ドレンヂャー送水口」と表記されているものだ。「ジ」ではなく「ヂ」を用いる表記は珍しいが、この「ドレンヂャー」を英語で表記すれば drencher となり、正確には「ドレンチャー」と表記すべきものらしい。drencher は「どしゃ降り」の意味を持つ単語で、消火設備としては建物の外壁や駐車場・通路の天井等に設置し、水幕を使って防火扉のように延焼を防ぐものを言うらしい。
 
 
 

太陽生命ビル

お隣の太陽生命ビルの送水口。こちらで目を引くのは「防火栓」との表記だ。実は蓋にも「防火栓」と表記されたものが幾つかあるのだが、この「防火栓」という表記は様々な使われ方がされている(いた)ようで、定義がいまいちよくわからないでいる。この写真の防火栓は採水口と同じ意味で使われているようだが、上水道に接続されたいわゆる消火栓と同じ意味で使われていると思われる場合もある。規模の大きい防火貯水槽に接続された採水設備、或いは上水道ではなく消防用の水道(防火水道)に接続された採水設備を「防火栓」と呼ぶのだとすれば今のところ辻褄は合うように思うが、確かな定義ではない。どうであれ古い設備によく見られる表記のようだ。
 
 
 

太陽生命ビル

同じ建物に単口の送水口もあった。前編では単口の送水口は規定外のものだと書いたが、それは連結送水管送水口についての話で、スプリンクラー(連結散水設備)用の場合では、その形状や数によっては単口の送水口も用いられることがあるのだそうだ。スプリンクラーについては、連結送水管送水口のように法令による設置義務は元々無かったようで(法令では設置義務ではなく設置基準といった表現が多い)、比較的緩い運用がなされているようだ。とは言っても単口のものは珍しい。
 
他に規定外ではない(正当な)単口の送水口の例として、水圧を利用してシャッターを開ける水圧開放装置(水圧シャッター送水口)といったものも存在する。(水圧を利用するといっても油圧ジャッキのように直接水圧を利用するわけではなく、水圧で非常電源・蓄電池のスイッチを入れたり、同じく水圧でタービンを回し発電させてシャッターを開ける方式)
 
 
 

太陽生命ビル

同じ建物の別の面にも送水口・防火栓・水噴霧用(スプリンクラー用)送水口のセットがあった。
 
 
 

古い街並み

近くには古い街並みもまだ残っていた。この辺りも今月から始まった再開発の対象地域で、どの店も閉店していた。
 
 
 

日本橋料理・飲食業組合章

そんな店の入り口に釘付けされた「日本橋料理・飲食業組合章」。なかなか趣があってよろしい。
 
 
 

坂下工務所

坂下工務所
 
この一角にある髙島屋の駐車場にこの蓋はある。右書きで古い形式の電話番号(電話下谷(83)五七六九番)も入っている。異体字の「務」の字、屋号の「ヤマサ」、見どころが多い蓋だ。恐らく浄化槽の蓋ではないかと思われる。残念ながらこの駐車場も再開発の対象地域なので、そろそろ撤去されてしまうはずだ。
 
 
 

三機工業株式会社

三機工業株式会社
 
上の坂下工務所の蓋のすぐそばにこの蓋もある。三機工業は三井グループの総合設備建設会社で、浄化槽工事も手掛けている。
 
 
 

三機工業株式会社

すぐ近くの建物にも三機工業の蓋があった。三井のシンボルマークは「丸に井桁三」で、井戸(4画)に「三」をあしらったものだが、三機工業の場合は本家に遠慮して三角井戸に「三」というのが面白い。
 
 
 

サイヤミーズ コネクシヨン

「送水口」ではなく「サイヤミーズ コネクシヨン」と表記された送水口。コネクションではなくコネクシン。サイヤミーズ(Siamese)とは「シャム(タイ王国の旧名)の」という意味だが、この送水口がシャム由来というわけではなく、シャム双生児から「双口」の連想でこう呼ばれているらしい。Wikipediaにもそう記載がある。
 
 
 

三機工業株式会社

この送水口も三機工業の製品だ。
 
 
 

日本橋髙島屋

向かいは日本橋髙島屋の本館。シャネル、エルメス、タイユヴァン(ワイン)といった有名ブランドの室外機が並ぶ。各ブランドの製品というわけではなく、各売り場のエアコンに繋がっている室外機、だよね。
 
 
 

日本橋髙島屋

その日本橋髙島屋本館に設置されている送水口。壁埋設露出Y型の送水口だが、色つやといい形状といい、何というか艶めかしい。
 
 
 

ぐりぐり写真:日本橋髙島屋の送水口
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折角なのでぐりぐり写真にしてみた。なんだかちょっと恥ずかしいような、いけないことをしているような気分になる。(ぐりぐり写真: 写真にマウスカーソルを乗せると動かせる)
 
 
 

村上製作所

この送水口に付いている「M」の字をモチーフにしたようなマークについて、比較的古い送水口によく見られるマークだが詳細が分かっていないとのことだった(上記太陽生命ビルの送水口にも同じマークが付いている)。しかしつい昨日、その正体が判明したとの報告が送水口ウォーク主催者のAyaさんよりあった。
 
報告によると、このマークは「村上製作所」のものとのことだ。村上製作所といっても複数存在するので企業情報DBを当たってみたところ、消防・水道用機械器具及び同関連部品の製造・販売を行っている会社として、新橋2丁目に本社のある株式会社村上製作所が浮上した。村上製作所の創業は昭和10年とのことだが、日本橋髙島屋本館の竣工は昭和8年なので微妙に合っていない。送水口のヘッド部分が後付けという可能性や、企業情報DBに誤りがある可能性、或いは現存しない別の村上製作所が存在した可能性などが考えられるが、こういった謎解きも面白い。
 
追記(2014/04/14)
畏れ多くもメールで直接問い合わせてみたところ、間違いなく新橋2丁目の株式会社村上製作所さんの製品であることが判明した。水口を自由に回転できる蛇口(上に向けて直接水が飲めるような蛇口)の考案者でもあるらしい(村上式自在水栓)。
 
 
 

「電」蓋

日本橋高島屋周辺に設置されていた蓋。主に電電公社NTTの蓋に使われるT字地紋に、「電」の字が入っている。「電」だけだと電気なのか電話なのか判別できないが、T字地紋なので電話の蓋ではないかと思われる。ただ、なぜ通常の電電公社やNTTのマークが入った蓋が使われていないのか疑問が残る。
 
 
 

「話」蓋

余談だが日本橋の近所、兜町には「話」の蓋もあったりする。「電」の蓋と組み替えてみたいところだ。
 
 
 

「〇」蓋

「電」の蓋の並びに設置されている「〇」蓋。
 
 
 

「〇」蓋

よく見ると元々文字が入っていてそれを潰したように見える。どこかで見たことがあるような気もしたが、該当する蓋はコレクションには見つからなかった。どこかで見たことがあるような気がした理由は後述する。
 
 
 

「〇」蓋

こちらの蓋も兜町周辺に設置されている蓋だが、上記のものとは似ているようで別物だ。
 
 
 

「〇」蓋

中央を拡大。中心の丸が無く、何となくいびつだ。
 
 
 

「〇」蓋

こちらは日本橋、昭和通り沿いにある蓋だが、途切れた「〇」の蓋。
 
 
 

「〇」蓋

これは電電公社のTTSマークを削って作ったマークのようだ。明らかな虐待蓋。先の途切れていない「〇」の蓋のマークもよく見ると、途切れた部分をあとから埋めて「〇」にしたように見える。
 
詳細は分からないが、日本橋・兜町周辺には電電公社の消したい過去が存在するようだ。電電公社の管轄ではない電話・通信関連のインフラがあるのかもしれない。
 
 
 

建設省・日本電信電話公社

建設省(現 国土交通省)・日本電信電話公社(現 NTTグループ)
 
似た「〇」の蓋として、建設省の共同溝の蓋が挙げられる。
 
 
 

建設省・日本電信電話公社

「建設省共同溝・日本電信電話公社電線路」と書かれているようだが、文字は「〇」の上ではなく「〇」の外側に凸で鋳出されている。先に掲載した文字を潰したような跡の残る「〇」の蓋を見たとき、元はこの蓋(の仲間)ではないかと思ったのだが、どうやら違うようだ。
 
 
 

送水口ウォーク・中編

国土交通省東京電力株式会社
 
ついでなので国土交通省の「〇」蓋も。
 
 
 

国土交通省・東京電力株式会社

こちらの蓋には「国土交通省共同溝・東京電力地中電線路」と書かれている。建設省・電電公社の蓋の地紋がT字地紋であったのに対し、こちらの蓋の地紋は電力っぽい地紋なのも面白い。
 
 
 

東大レゴ部 日本橋髙島屋

おまけ。2011年の年末に日本橋髙島屋に展示されていた、レゴブロックによる「日本橋髙島屋」。東大レゴ部の作品。
 
 
だいぶ脱線してしまったが、中編はここまで。後編に続く。
 
 
 
関連リンク
  ●送水口ウォーク・前編(駅からマンホール:2014/03/30)
  ●馬明の路上文化遺産と投資のブログさん
  ●送水口倶楽部さん
  ●路上散歩備忘録さん
  ●送水口ウォーク まとめ(togetter)
 



送水口ウォーク・前編


送水口ウォーク・前編

送水口ウォーク・前編
 
去る春分の日に「送水口ウォーク」なる魅惑的な街歩きが日本橋で実施された。日本橋髙島屋でマンホールの蓋担当講師を務めている筆者としては何を置いても参加しなければならないのだが、滑り込みで何とか申し込みをさせていただいた。主催者は第5回マンホールナイトの異文化交流枠で発表を行ってくださった、送水口倶楽部のAyaさんだ。
 
タイトルが「前編」となっているが、中編・後編・余談編1・余談編2と続く予定だ。頑張らねば。
 
 
 

坂本町公園

集合場所の坂本町公園。奥に見えるのは阪本小学校。阪本小学校の歴史は古く、明治5年の学制公布により翌年の明治6年に開校した小学校で、当時は「第一大学区第一中学区第一番小学阪本学校」と「一、一、一」を冠していた。現在の校舎は関東大震災後の昭和3年に建設されたもので、公園とセットで再整備された、いわゆる復興小学校の一つだ。
 
地名及び公園の名前は「坂本」だが、小学校の名前は「阪本」となっている。一部の古地図で「坂本小学」の表記もあるようだが、調べた範囲では地名・学校名とも昔から別の字を使っているようだ。
 
 
 

阪本小学校の外蛇口

阪本小学校にあった外蛇口。参加者のうち若干名が反応を示す。ホースをぶら下げているハンガーまで骨董品に見えてくる。
 
 
 

阪本小学校の呼び鈴

呼び鈴のような非常ベルのような何か。参加者一同、押してみたい衝動に駆られる(が、なんとか我慢する)。
 
 
 

ぐりぐり写真:壁埋設型送水口
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小学校の裏のホテルに本日最初の送水口があった。(ぐりぐり写真: 写真にマウスカーソルを乗せると動かせる)
 
「連結送水管送水口」と表記され、口が二つ付いた送水口が壁に埋設されている。送水口について詳しくは送水口倶楽部さんを参照してもらうとして、基礎的なポイントを挙げておくと、送水口は水が出てくるところではなく入れるところであり、火事の際には消防車(ポンプ車)のホースがここに接続され、建物の高いところや地下街などホースを担いで行けないような場所へ水を供給することになる。建物の高さや床面積が一定以上の場合に消防法施行令で設置が義務付けられていて、しかも送水口は双口形と定められている。口は二つだが、内部で逆止弁を経て連結しており、建物内の送水管は1本になっている。
 
なぜ双口形と定められているのか、消防法施行令には明記されていないが、恐らくは複数の消防車がホースを接続し、滞りなく水を供給するためではないかと思われる。(1台の消防車が交代する際にもう1台が水を供給し続ける)
 
 
 

過保護な送水口

送水口は7階以上の建物には必ず設置されているはずなので、その周辺を探せば必ず見つかるはずだ。こちらの送水口はビニール袋で丁寧に保護されている。でも火事の際は邪魔になりそう。過保護ヨクナイ。
 
 
 

スタンド型送水口・採水口

スタンド型の送水口と採水口。送水口は送水管を経て建物の上の方へ、採水口は地下の貯水槽に繋がっている。貯水槽が地下にある場合、そのままでは採水口側に圧力はかかっていないはずなので、採水口から送水口へ水を供給するには間にポンプ(ポンプ車)が入らないとならない(採水口にポンプ機構が付属する場合も多い)。また、送水口は双口、採水口は単口で、区別のためか蓋部分のハンドルの長さにも違いがある。(追記 4/1: Ayaさんよりコメントを頂き、区別のためというよりは、採水口の方が構造的にきつく蓋を閉めるために爪が長くなっているらしいとのことでした)
 
背後に無地のプレートがあるが、これは先代の送水口・採水口の遺構なのだそうだ。古い建物では送水口を含め消防設備を更新することがあり、この写真の場合は壁埋設型の設備だったものを更新し、新たにスタンド型の設備を設置したということらしい。
 
確かこの辺りでAyaさんから、「消火栓や防火貯水槽の蓋によく消防車がデザインされているが、実際に消火栓や防火貯水槽を使うポンプ車ではなくはしご車ばかりがデザインされている」というような話が出た。この件については宿題と受け止め、実際のところとどこへ文句を言うべきかを調査中だ。送水口ウォークの余談編として纏めるつもりなのでご期待を。
 
 
 

単口送水口

道の反対側に出ベソ発見。女性専用の足裏マッサージ用で、利用には予約が必要、というわけではなく、これは珍しい「単口」の送水口とのことだ。
 
 
 

ぐりぐり写真:単口送水口
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「送水口は双口と定められている」、先にそう書いたが、設置義務のない建物の場合こういった単口の送水口が設置されていることがあるのだとか。(ぐりぐり写真: 写真にマウスカーソルを乗せると動かせる)
 
設置義務が無くても送水口を設置するような防災意識の高い施工依頼主が建てた建物、即ち、しっかりとした建物によく見られるのだそうだ(といっても珍しい)。また、現在では消防車の性能が十分上がっているので、設置義務が無い建物に敢えて送水口や送水管といった消防設備を設置することは殆ど無いと思われる。さらに送水口は規格品なので、わざわざ規格外である単口の送水口を造っている製造会社も今は無いのではないかと想像される。ごちゃごちゃと書いて何を言いたいのかというと、単口の送水口を見つけたらそれはとても珍しく古いものなので、きっとイイ事があるだろう、ということだ。
 
「送水口は双口形」と定めている消防法施行令は昭和36年に制定されているが、これ以前に何か規定があったのかどうかも調べる必要がありそうだ。
 
 
 

注水口

今度は「注水口」と書かれた似たような設備が現れた。この建物は日本橋消防署で、この注水口は消防署の地下にある防火貯水槽に水を入れるための設備なのだそうだ。
 
ここまで送水口(壁埋設型・スタンド型・双口・単口)、採水口、注水口と出てきてもうお腹いっぱいなのだが、驚いたことにまだ公園のある一区画をぐるりと半周しただけだったりする。
 
 
 

日本橋消防署

冒頭の写真。幸運にも訓練で実使用中の送水口に遭遇した。突然謎の一団に注目されて驚く送水口。
 
 
 

日本橋消防署

訓練中の隊員さんも嫌な顔一つせず対応してくださり、消防隊男子の株が急上昇。
 
 
 

日本橋消防署

送水口は毎日磨いているとのことでピカピカ。一方周りの壁が削れているのは日々の訓練の証。実に頼もしい。
 
 
 

壁埋設露出Y型送水口

しばらく進むと鏡面仕様の壁に取り付けられた壁埋設露出Y型の送水口に遭遇。宙に浮いているようにも見える。
 
 
 

電防

筆者はもちろん蓋の人なので、何かネタを探さねばと思っていたら、この蓋なーに?という質問があがった。
 
 
 

電防

「電防」と書かれた小型の蓋。字体も面白い。
 
「電防」とは「電気防食」の略で、金属管の傍に陽極を設置し、防食電流を流すことで管の腐食を防止する技術のことだ。腐食しやすいガス管によく使われていて、「TB」と書かれたガスの蓋はこの設備(ターミナルボックス)を埋設している。と、このくらいの説明はスラスラ出てくる。よかったらこの記事も。
 
この蓋の下にある電気防食設備で何を腐食から守っているのかまでは分からないが、地中に何か金属があり、それを守っていることは確かだ。
 
 
 

中島芳治郎

この辺りのビルの定礎には「中島芳治郎」の名が入ったものが幾つか見つかり、送水口ウォーク参加者の間で、どこの誰だか知らないけれど話題の人物となった。後から調べてみたら、日本橋兜町にある中島クリニックの先代の院長なのだそうだ。
 
 
 

壁埋設露出Y型送水口

壁埋設露出Y型、蓋なし、ちょい斜め、直下に遺構あり。
 
 
 

排気口

ちょっと可愛らしい排気口。白鳥の顔にも見える。
 
 
 

スタンド型送水口

スタンド型の送水口。先に採水口と一緒に出てきたスタンド型の送水口は「水平双口タイプ」だったけど、こちらは「垂直双口タイプ」。コンパクトなので最近の流行りなのだとか。
 
 
 

潜望鏡型送水口?

同じものを逆さに取り付けて潜望鏡のようになった送水口。アーケードに設置されていればアーケード型と迷うことなく言えるけど、これをそう呼んでよいのかどうかは迷うところ。
 
送水口は大きく分けて、壁埋設型・スタンド型・アーケード型の3つに分類できるとのことで、詳しくは送水口倶楽部さんを参照されたし。
 
 
 

潜望鏡型送水口?

横から見ると排水用の蛇口もあった。建物上部への配管も外から確認でき、大サービスの物件。かつては壁埋設型だったらしい遺構も見える。
 
 
 

中島芳治郎

この建物も中島芳治郎さん関連。定礎にある昭和の「和」の字も面白い。
 
 
 

千代田橋

首都高下、楓川跡に架かる千代田橋の隣に巨大な配管設備があった。脇に水道局のテレメーターがあったので、これは水道管だと思われる。楓川は昭和37年に埋め立てられており、この千代田橋は昭和3年に架橋されている。この水道管も同時期に敷設されたのではないかと想像される。この部分のみ地上に露出する形で山型になっており、中央に空気弁らしきものが設置されている。
 
 
 

空気弁

縛られていて中身はよく見えない。結構でかい。
 
 
 

自働洗滌槽蓋

脇に少しそれると自働洗滌槽と同じタイプの2連の下水君蓋があった。下水道台帳で調べてみたら防潮扉付人孔とのことで、日本橋川に繋がっているようだ。というかしばらくぶりに見てみたら下水道台帳がちょっと進化していて驚いた。2/28から新システムになったらしい!?
 
 
 

街燈

東京都中央区(街燈)
 
ここでニアミスした蓋を一つ紹介。日本橋近辺の蓋でこれを忘れてはいけない。「街燈」と書かれていて、都章のようで都章ではない紋章が入っている。地図記号の灯台と同じ形状だが、街燈と灯台、関連は無さそうに思える。都章(東京市章)の誤植という説が有力ではないかと思うが、どうなのだろうか。同じ中央区内には、区の花「ツツジ」と区の木「ヤナギ」がデザインされた街灯の蓋も多数存在する。ひょっとすると同じ系譜なのかもしれない。
 
 
 

街燈蓋の風景

この蓋は昭和通り沿いに何枚か残っており、状態の良いものは江戸橋1丁目交差点、日本橋駅のD3出口近くにある。昭和通りの整備と同時期の設置とすると昭和3年まで遡ることができる。
 
 
この辺りで前編は終わり。中編に続く。
 
 
 
関連リンク
  ●送水口ウォーク・前編(駅からマンホール:2014/04/10)
  ●送水口倶楽部さん
  ●路上散歩備忘録さん
  ●送水口ウォーク まとめ(togetter)
 



マンホール蓋の趣味が今熱い!?


マンホールサミット

マンホールサミット
 
来る3月8日(土)、「マンホールサミット」というイベントが東京で開催されます。主催は日本下水道協会の関連団体「下水道広報プラットホーム(GKP)」で、鉄蓋ファンと業界関係者とが一堂に会してマンホールの蓋について語り尽すという嘘のような本当のイベントです。筆者も登壇させていただく予定です。参加費は無料ですが、参加申し込みが必要ですので、興味のある方は是非お申し込み下さい。申し込みは3月3日(月)までとなっております。詳しくは下水道広報プラットホームのサイト、もしくはマンホールナイトの告知ページをご参照ください。
 
 
 

デザインマンホール100選 阿寒から波照間島へ旅歩き

デザインマンホール100選 阿寒から波照間島へ旅歩き
 
続いてマンホール本の紹介です。先頃、アットワークスという出版社より「デザインマンホール100選 阿寒から波照間島へ旅歩き」という本が出版されました。デザインマンホールの蓋に対する愛と情熱とが感じられる素晴らしい本です。タイトルに「100選」とありますが、実際には「100選」の蓋とその仲間の蓋とが掲載されていて、全部で約500種類のデザインマンホール蓋とその地域の風景とがフルカラーで掲載されています。amazonや楽天ブックスなどでも注文できるようですが、在庫の関係もありますので直接出版元へ注文するのがいいかもしれません(送料は無料です)。
 
実を言うと昨年末に著者の池上修さんから筆者にご連絡があり、その後何度かメールのやり取りをさせていただいているのですが、蓋の写真を撮るだけではなく、その蓋にデザインされている物や地域の風景も一緒に楽しむ点など、共感できるところが多く、出版されるのを首を長くして待っておりました。
 
 
 

日本全国!マンホールの蓋コレクション Vol.1 - 札幌市

日本全国!マンホールの蓋コレクション Vol.1
 
続いて「マンホールの蓋コレクション」の紹介です。少し前にタカラトミーアーツさんからガチャガチャ用のマンホールミニチュアキーホルダーが出て話題になりましたが、今度はそのものずばり「マンホールの蓋コレクション」がガチャガチャに登場します。製造元は台東区のユニオンクリエイティブさんで、今年の4月頃から流通が始まるそうです。特設ページも用意されていますので、そちらも参照ください。
 
 
 

日本全国!マンホールの蓋コレクション Vol.1 - 東京都

一足先に実物を見せていただいたのですが、写真の通り本物のような質感です(本日の記事より、画像をクリックすると大きい画像が表示されるようにいたしました)。敢えてキーホルダーやストラップにはせず、余計な穴を開けていないところにも好感が持てます。サイズは直径30mm程で、500円玉より少し大きいサイズです。以前勘違いして直径25mmくらいとtweetしてしまったことがありましたが、直径30mmが正しいサイズです。すみません。
 
 
 

日本全国!マンホールの蓋コレクション Vol.1 - 広島市

「Vol.1」と強気の姿勢ですが、Vol.2、Vol.3 と続くかどうかは売れ行き次第ですので、後になって「ああ欲しかった」という人が出ないよう、精一杯宣伝と応援をしていきたいなと思っています。ヨドバシカメラには設置される可能性が高いとのことでしたが、実際に問屋から先どのお店のガチャガチャに導入されるのかという情報は製造元でも把握しにくいとのことでしたので、その辺りの情報共有をしたいと思っています。
 
 
 
 
最後にこっそりと。今週末の土曜日、マンホールサミットの宣伝も兼ねてラジオに出演することになりました。江東区とその周辺が可聴地域のコミュニティ放送局レインボータウン FMの「大江戸ワイド Super Saturday」という番組です。受信機器によっては千代田区や東京湾を挟んで木更津市でも受信できるということですので、よかったら土曜日正午はラジオを79.2MHzに合わせてみて下さい。大丈夫なんでしょうか、今から緊張しています。
 
また、先日髙島屋セミナーで日本橋周辺の蓋散歩を行ったのですが、その際取材も受けました。外務省を通じて世界各国に提供されている日本を紹介する動画の一編になるとのことです。海外出張してテレビをつけてみたら筆者が映っていたなんてこともあるかもしれませんが、そんな際は是非ご一報をよろしくお願いいたします。
 
 
 
関連リンク
  ●下水道広報プラットホーム(マンホールサミット主催者)
  ●マンホールサミット開催のお知らせ(マンホールナイト)
  ●デザインマンホール100選(アットワークス)
  ●マンホールの蓋コレクション(ユニオンクリエイティブ)