私は蓋のここが好き ~ 第1回 マンホールイズム


第1回 マンホールイズム

第1回 マンホールイズム
 
来る7月3日の夜、カルカルこと東京カルチャーカルチャーでマンホールイズムという新しいイベントが開催されます。これまでも度々お世話になっている山田秀人さんがプロデュースするイベントで、筆者も登壇させていただく予定です。
 
マンホール蓋に関する大きなイベントとしては既にマンホールナイトマンホールサミットとがありますが、マンホールナイトは愛好家による愛好家のためのイベントとして、マンホールサミットは下水道業界による広報を目的とした一般向けのイベントとして確立しています。今回新しく開催されることになったマンホールイズムがどのように展開されてゆくのか、楽しみですね。
 
 
 

KEYHOLE 電橋

私は「蓋の謎解き要素が好き」というテーマで、主にこの蓋についてお話をさせていただこうと思っております。神田川に架かる昌平橋に、ある日突然現れ、そして消えた謎の蓋、「KEYHOLE 電橋」。この蓋の正体を探る過程を通して「謎解き」の面白さをお伝えできればと思っております。
 
お申し込みは下記の関連リンクよりお願いします。当日券もありますが、前売り券の方が多少お得です。お土産もたくさん出るようです。皆様奮ってご参加ください。
 
それでは会場でお会いしましょう!
 
 
 
関連リンク
  ●第1回 マンホールイズム(東京カルチャーカルチャー)
 



箱根駅伝にマンホール? ~ 第95回箱根駅伝オフィシャルグッズ


第95回箱根駅伝オフィシャルグッズ

第95回箱根駅伝オフィシャルグッズ
 
芦ノ湖」から見た「富士山」と、箱根神社の「平和の鳥居」、そしてそれらを背景に襷を繋ぐ「駅伝選手」がデザインされている。これは、第95回箱根駅伝で中継所やゴールに到着した選手を包んだオフィシャルゴールタオルにデザインされていた絵柄だ。丸いものは何でも蓋に見えてしまう筆者だが、これは細部の造形を見れば見るほどマンホールの蓋のように見える。
 
気になったので製作元であるミズノの中の人に尋ねてみたところ、

仰られる様に、マンホールを意識したデザインでございます。近年、マンホールが流行っているということから、弊社内からデザイン提案があり、社内プロジェクトで揉んで進めたとのこと。95回の記念大会ということもあり、少し変わったデザインで進めた結果、高評価をいただいたようでございます。

というお返事をいただいた。マンホールの蓋とは全く関係のなさそうなところにもマンホールブームが浸透している事実に、嬉しさとともに大きな衝撃を受けた。ともあれ、こんな変な質問に丁寧にお返事して下さったミズノのご担当者様には感謝だ。
 
 
 


今年は高校の後輩が二人も選手にエントリーしていたので筆者も箱根駅伝の中継を見ていたのだが、実はこのデザインには気がついていなかった。マンホールマップの生みの親、木村さんのこのツイートのおかげで知ることができた。筆者の目はまだまだ節穴だ。
 
 
 

芦ノ湖

デザインされている構図と同じ芦ノ湖の風景。(† ウィキメディアより取得。作者:Gdr、利用許可:GFDL)
 
 
 

第95回箱根駅伝オフィシャルグッズ

初日の出のイメージと箱根の風景、襷を繋ぐ駅伝選手、さらに箱根寄木細工のイメージも取り込んでいるようで、なかなか素晴らしいデザインだ。
 
 
 

第95回箱根駅伝オフィシャルグッズ

ちなみにこのタオル、短辺が90cmもある。ほぼ実物大を謳っているマンホールカレンダーを並べてみるとその大きさがわかる。90cmサイズの蓋だ。
 
 
 

第95回箱根駅伝オフィシャルグッズ

ちなみに半分のサイズのスポーツタオルや、さらに小さいハンドタオルのデザインは少し簡略化されている。
 
 
 

第95回箱根駅伝オフィシャルグッズ

基本のカラーは青基調で、他に赤基調のものと緑基調のものとがある。
 
 
 

第95回箱根駅伝オフィシャルグッズ

それぞれのグッズには、箱根駅伝のロゴマークとミズノのマークとが織り込まれている。
 
 
 

第95回箱根駅伝オフィシャルグッズ

年明け早々お財布に厳しい。
 
 
 

神奈川県横浜市

神奈川県横浜市
 
今回のデザインとは別だが、箱根駅伝にちなんだデザインの蓋は八年ほど前から横浜市戸塚区に設置されている。浮世絵の戸塚宿と駅伝選手とを融合させたこちらのデザインも秀逸だ。
 
 
 

山の神

2011年、箱根駅伝の応援に行った際に撮影した、山の神こと東洋大学の柏原竜二選手。このあと、前を走っていた二人の選手を抜いて往路をトップでゴールした。
 
 
 
関連リンク
  ●神奈川県横浜市(駅からマンホール:2011/01/01)
  ●ミズノ公式オンラインショップ
 



犬なのかカピバラなのか、それが問題だ ~ 東京都区部


東京都区部

東京都区部
 
「犬の集会蓋」あるいは「カピバラ蓋」と呼ばれる蓋がある。5匹のかわいらしい動物がエサの乗った一枚の皿を取り囲むように並んでいることからそう呼ばれており、他にも「ワンコ蓋」などと呼ぶ向きもある。
 
敢えて野暮な説明を加えると、実際には都の花「ソメイヨシノ」をデザインしていて、その花びらの穴の部分を目と鼻に、先っぽの部分を耳に見立ててそう呼んでいるだけだ。
 
 
 

動物に見える?

しかし、一度動物に見えてしまうともう花びらには見えなくなってしまうから不思議だ。この動物が犬なのかカピバラなのかという論争は古くからあり、幾度となく激論が交わされてきた。なお、猫に見えるという少数派も存在するが、収拾がつかなくなるので今回は切り捨てて話を勧めさせていただく。
 
 
 

秋田県大館市

秋田県大館市
 
まず犬派の立場に立って、蓋と犬との関係について少し触れておく。犬は馴染みの深い動物であるので、蓋にデザインされることもしばしある。例えば大館市の路上は犬で溢れているし、渋谷にもハチ公の蓋犬にちなんだ蓋が設置されている。桃太郎のお供としてデザインされることもある。
 
 
 

北海道富良野市

北海道富良野市
 
もう一つ、「犬」の字も蓋との関係が深い。「量水器」と書かれた蓋は全国でたくさん見ることができるが、実はこの「器」の字に「犬」が入っている。
 
現在では「大」の字が使われているが、もともとは「犬」が正しく、昭和21年に当用漢字が告示されるまで「器」の字に点を付けたものが正しい文字だった。なおそういった背景から、この「犬」の入った「器」は萌え点として分類されていない。(ところでこの蓋どうやって開けるんだろう?)
 
 
 

北海道富良野市

「器」の字の字源には幾つかの説があるようで、「犬が容器を守る様」、「犬は『様々な』を意味する」(?)、「神に捧げる犬を容器が囲む様」(!)といったものがある。何れにせよ「犬」が関わっている。
 
と、このように蓋と犬とはとても親和性が高いので、例の蓋にデザインされているのも「犬」であろうというのが犬派の意見である。(※個人の感想です)
 
 
 

カピバラ

一方、カピバラ派の意見には、水との親和性が高いのでカピバラとした方が妥当だというものがある。水辺に生息するカピバラこそ、犬よりもデザインされるに相応しいとの意見だ。
 
 
 

カピバラ

また、あれがカピバラだとすると干支が揃うので嬉しいという意見もある。デザイン系マンホール蓋の写真を撮り集めていると、誰しも蓋で十二支を揃えてみたくなると思うが、いきなり最初の「子」で躓いてしまうのだ。端の方にいたり著作権にうるさそうだったりで、これといった蓋が無いのだ。もしデザインされているのがカピバラだとすれば、少し苦しいが「子」の蓋として使えることになる。(※個人の感想です)
 
 
 

犬小屋

ところがある日、重大な発見がなされた。「犬小屋」の発見である。発見したのは神保町のオッカランという雑貨屋さんの店主、ののりこさんだ。2012年6月15日に開催された筆者の案内する髙島屋セミナーの街歩きに参加していただいたのだが、その際に犬・カピバラ論争について触れたところ「ここに犬小屋がある!」と気付かれたのだ。
 
それまで筆者はカピバラ派だったのだが、この事実に抗うことができず、その後は「これは犬です」と説明するようになった。
 
なおオッカランには、ののりこさんが世界各地で選りすぐった素敵な雑貨が並んでいる。神保町へ来たならばおさんぽ神保町を片手にオッカラン、以上、勝手に宣伝させていただきました。
 
 
 

カピバラ小屋

しかし話はそれで終わりではない。あきらめきれなかった筆者は、カピバラの居住環境を確かめるべく、井の頭公園へと探索に出たのだ。そこで見たものはまごうことなきカピバラ小屋であった。
 
 
 

カピバラ小屋

しかも例の蓋にデザインされている小屋にそっくりではないか!この事実を目の当たりにした筆者は、再びカピバラ派となって現在に至る。
 
というわけで、犬カピ論争は未だ終結に至っていない。冒頭で切り捨ててしまったが、猫派の存在も無視するわけにはゆかず、今後も混沌とした議論が続くものと思われる。
 
さてあなたは犬派?それともカピバラ派?
 
 
 

井上水水

話は変わるが、井の頭公園には、何とも井上陽水チックな蓋が設置されていた。
 
 
 

井の頭恩賜公園

井の頭恩賜公園
 
素直に読めば「上水」・「井水」となるが、「井上すいすい」とも読める。また「井水」の「井」は井戸水の「井」なのか、井の頭の「井」なのか、色々と疑問の残る蓋だ。
 
 
 

東京都区部

更に余談。犬カピ蓋は、そのサイズが大きくなるとデザインが変わってしまう。
 
 
 

目がたくさん

犬だ・カピバラだと油断していると、目がたくさんあるようなそのグロテスクな姿に腰を抜かしかねない。筆者はこれはプレデターだと思っていたのだが、遊星からの物体Xだとの向きもあるようだ。だとするとやっぱり犬なのか、結論は見えそうもない。
 
 
 

小型ます鉄蓋表面デザイン詳細図

ちなみに、東京都下水道設計標準には何をデザインしたのかということまでは書かれていない。また写真を撮る際、小屋の部分を下に配置しがちだが、設計図としては用途を記載した部分を下に配置するのが正しい向きのようだ。
 
 
 
関連リンク
  ●東京都区部(駅からマンホール:2008/02/23)
  ●東京都区部(駅からマンホール:2008/12/06)
  ●オッカラン
  ●おさんぽ神保町