神田川・環状七号線地下調節池
神田川・環状七号線地下調節池 善福寺川取水施設
環状七号線の地下には治水に関する巨大な地下トンネルがある。趣味として下水道を調査している自分のところに、この地下トンネルを見学する機会が降ってきたので行ってみた。(<平日に何をやっているんだろう)
地下調節池と取水施設の模型。これらは東京都が建設した施設で、運用・維持・管理も東京都が行っている。
模型の左側に見える道路は環状七号線、その地下50mにあるのが巨大トンネル状の地下調節池、右側に見えるのが善福寺川取水施設。神田川水系の善福寺川が氾濫を起こす前に川の水が地下に取り込まれ、その後ポンプで再び放水される様子がよくわかった。
こちらは司令室。普段は無人だが、大雨注意報が発令されると、いかなる状況であっても都の職員2名がここに駆けつけることになっている。普段取水口は開かれており、注意報で駆けつけた職員がまず取水口を閉じる。モニタで川の様子を確認し、一定の水量を超えると再び取水口を開け、調節池へと水を誘導するのだそうだ。
取水口は下から堰がせり上がる仕組みになっており、自然な(通電しない)状態では堰は下がって取水口は開いている。これは、何かのトラブルで取水口が開かなくなるというトラブルを避けるためなのだそうだ。また、氾濫直前までは海に自然に水を流すため、注意報が発令された段階でまず取水口を閉じるのだそうだ。
一通りの説明を受け、いよいよ地下トンネルへ向かう。取水施設の壁面には大きな円が描かれているが、これが地下トンネルの内径(12.5m)なのだそうだ。
取水施設にはエレベーターも設置されているが、せっかくだから階段で地下トンネルを目指した。13~15階建てのビルの高さを地下へ進む。
長い階段は地上から43mの地点で終了。
制御室には巨大な排水ポンプがあった。地下貯水池に溜まった水を再び川に戻すためのポンプだ。
分厚い扉の二重扉を抜けて、いよいよ地下トンネルに入る。
扉を抜けると、地上の取水口から地下トンネルへ水を導く縦穴がまず目に入った。そのまま滝のように水を落とすのではなく、騒音・振動を抑えるため渦を巻きながら水が落ちる仕組みになっているのだそうだ。
縦穴から地下貯水池までは内径6mの地下トンネルが100mほど続いている。トンネルの壁面には、今後の補修のためヒビ割れや剥離などを示すマークがたくさん記されていた。
都の職員の方を先頭に地下トンネルを進む。内径6mのトンネルでも十分大きく感じるが、その先にあるさらに倍大きい地下トンネルを目指す。
後を振り返ると、核戦争後の人類の姿がそこにあった。
途中、近くの小学生が描いたという絵があった。小学生をここに連れてきて描かせたわけではなく、地上で描かせた絵をここで組み込んだとのことで安心した。
ついに巨大地下トンネルに到着した。内径12.5m、このトンネルが環状七号線の地下に延々4.5kmにわたって続いている。大規模な人数での見学の場合はトンネル内に照明を用意することもあるようだが、今回は小規模な人数での見学だったせいか携帯式の照明のみで、写真を撮るのに苦労した。
この貯水池は完成後に25回実際に使われたことがあり、トンネル下部の溝には、前回の取水時に取り込まれて放水時に取り残されてしまったとみられる小魚やエビが泳いでいた。地上で天変地異が起こった際、次の地球の支配生物はここから進化するのかもしれない。
帰り道の環状七号線。この地下に巨大地下トンネルがあるのだと考えると、なんだか不思議な気分になる。
関連リンク
●ラジエイト:関東の国土や交通に関するイベントアーカイブ
●報道発表資料 [2007年4月掲載](東京都ホームページ)
●善福寺川取水施設見学(東京工業大学 国際開発工学専攻 神田研究室)
●月刊 もぐらカメラ(白汚零)さん
●今日もお散歩日和さん
●たっちーの自転車漂流さん
●越後屋たぬきさん
2010 年 8 月 28 日 7:31 AM
おはようございます。
巨大地下トンネル見てみたいですね。
埼玉にもあるのですが、機会があったら行ってみたいと思っております。
AP-8.0m A.P(荒川ポイント=荒川水面を 0mとした時の高さ)
2010 年 8 月 31 日 12:22 AM
AP にはそんな意味があったんですね。気にせずに流してしまいました。
このトンネルはほぼ海水面に近いんですね。
埼玉の地下神殿も一度見てみたい。
2013 年 4 月 14 日 11:32 AM
萌え