最後の同潤会アパート ~ 上野下アパートメント
同潤会上野下アパートメント(特許 濱崎)
「特許 濱崎」と書かれた蓋。この蓋は今は無き同潤会上野下アパートメントの敷地内に設置されていた。ここにしか無かった蓋というわけではなく、八王子市内のどこかやどこかの学校の構内にも目撃例がある。戦前の電話帳で調査した限りでは、東京市京橋區にあった濱崎商店が扱っていた蓋ではないかと想像されるが、今のところ確証は無い。
こちらは同潤会の紋章。「同」の字の「口」の中に「潤」の字が入っている。この紋章が入った蓋も存在したらしいが、現在も残されているのかどうかは不明だ。(† 画像は同潤会と其の事業(同潤会 昭和15年 近代デジタルライブラリー所蔵)より)
なお、この蓋の「濱」の字、萌え点らしきものが二つある。
在りし日の上野下アパートメント。近々取り壊されるという話を聞いて、2011年1月に撮影に向かった。
同潤会アパートについて詳しくはWikipediaや下の参考リンクを参照していただきたいが、関東大震災後に復興計画として建設されたアパートで、この上野下アパートメントは昭和4年に竣工している。よって蓋も同時期の設置だと思われる。
上水道の制水弇の蓋。東京市章の部分が他の場所で見られる阻水弇や制水弇の蓋とは違っている。よく見られる(と言っても数は少ないが)阻水弇・制水弇の東京市章の形状については路上文化遺産データベースも参照していただきたい。
この蓋はキノコの様に生えていた。
関東大震災後に地震に強い物件として建てられた同潤会アパートであったが、老朽化は著しく、最後まで残っていたこの上野下アパートメントも2013年には取り壊されることとなった。
解体中の上野下アパートメント(2013年11月)。現在の様子は確認していないが、上記の蓋はほぼ間違いなく撤去されているものと思われる。(今年8月竣工予定の14階建てマンションが建築中で、既に完売とのこと)
おまけ。どこかで見たような東京都・電気の蓋。
関連リンク
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