地下式送水口特集
地下式送水口特集
送水口ウォーク前編・中編・後編・余談編1と続けた送水口関連の話題、今回は余談編2として地下式送水口の蓋を取り上げる。当初の予定通り、送水口関連の話題はひとまずこれで終わりとなる。しかし夏の終わり頃には送水口ナイトなる魅惑的なイベントも計画されており、送水口界隈からは今後も目が離せない。
帝都高速度交通営団(現 東京地下鉄株式会社)
営団地下鉄のマークに「ずい道内消防用・連結送水管送水口」と書かれている蓋。もう説明の必要はないかもしれないが、念のために書いておくと、送水口とは水が出てくる「口」ではなく、消防車から水を入れるための「口」だ。連結送水管の先には放水口があり、そこに消防用ホースを繋いで離れた場所の火災に対応することになる。
ただ消防法施行規則では、送水口は「地盤面からの高さが〇・五メートル以上一メートル以下の位置に設けること」とされているので、通常はこのように地下に送水口を埋設することは無いはずだ。別の根拠法が存在するか、若しくは設置義務の無い送水口なのかもしれない。
丸の内線御茶ノ水駅の壁埋設型送水口。これが通常の送水口だ。駅に設置された送水口は法律で設置が義務付けられている送水口で、ずい道(トンネル)に設置された送水口は営団地下鉄が自主的に設置したものだと考えると、一応理屈は通る。
送水口と繋がっているかもしれない放水口の蓋。(6/20追記)
地下鉄の駅のホームに設置されているので「ずい道内消防用」ではなく、駅そのものの消火用ではないかと思われる。
かなり大きい横長の蓋。設置場所は池袋駅の西口で、真下には丸の内線の駅があるので、この蓋も営団地下鉄(東京メトロ)の蓋であると思われる。
「スプリンクラ用連結送水口・消火栓用連結送水口・採水口」と書かれている。送水口の蓋は饒舌なものが多いが、この蓋も例に漏れず物凄い饒舌蓋だ。
「消火栓」の文字の下に「送水口」と書かれたプレートが追加された蓋。小さな営団地下鉄のマークも入っている。消火栓は水を供給する側で、送水口は水を供給される側だが、この大きさでその両方が入っているということは考えにくいので、この蓋の下には送水口のみが設置されているのではないかと思われる。
「送水管」と書かれた手書き蓋。管だけあっても仕方が無いので、この蓋の下にも送水口が設置されているのではないかと思われる。また、上の蓋と同じ形をしていることからこの蓋も営団地下鉄のものだと思われる。
この蓋は千代田線新御茶ノ水駅と湯島駅の中間辺り、トンネルの真上だと思われる場所に設置されている。
東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)
「送水管」の蓋で他に思い浮かぶのはこの蓋だ。JRのロゴが入っているが、設置場所が変わっている。
この蓋は皇居外苑、桜田門の近くに設置されているのだが、東京駅からはだいぶ離れているのでJRの蓋とは考えにくい。しかも地下街があるわけでも無いのでここに「送水管」があるとも思えない。実際は空気弁(のみ)か消火栓がここにあり、余っていた適当な蓋を持ってきたのではないかと想像される。なお、最近交換されてしまったが、かつて皇居外苑内にはなぜか航空局の蓋もあった。
実は秘密の地下道や線路があったりして。噂はよく聞くけど確かめようがない。
東京地下鉄株式会社(東京メトロ)
こちらは4枚組みの蓋で、東京メトロのマークに「消防用出入口」と「連結送水管送水口」の表記がある。左右の小窓は明り取りだろうか。
そういえば営団地下鉄の送水口の蓋はたまに見かけるが、都営地下鉄の送水口の蓋は1枚も見たことがない。この点からも、地下式送水口は設置義務が無いものの営団地下鉄が自主的に設置しているという推測ができる。
東京電力株式会社
続いて東京電力の送水口の蓋を並べてみる。「水噴霧消火装置・消防隊送水口・東京電力株式会社」と書かれている。「社」の字が古い示偏だ。
「水噴霧消火装置」とあるので、この蓋の下にあるのはスプリンクラーに水を送るための送水口のはずだ。厳密には普通のスプリンクラーではなく、水を霧状に放射する構造になったスプリンクラー類似設備で、消火だけではなく延焼を防いだり温度を下げる目的もあるとのことだ。電気設備に直接水をかけるわけにはいかないので、単純なスプリンクラーではなく水噴霧消火装置が設置されているのだと思われる。
白く彩色された蓋。「社」の字が古い示偏というところも同じ。
この蓋は比較的小さなサイズで、設置されているのは単口の送水口なのではないかと思われる。この写真の様に、マンホールの蓋と並んで設置されることもある。
2枚組というのもよく見かける。この点からも単口送水口なのではないかと思われる。
別タイプの蓋。中学校の美術の時間にやったレタリングを思い出すようなフォントで、「水噴霧防災装置・消防隊送水口・送水圧力 Kg/CM2・東京電力株式会社」と書かれている。饒舌にも程があるが、送水圧力の部分は未記入だ。先の蓋には「水噴霧消火装置」と書かれていたが、こちらの蓋には「水噴霧防災装置」と書かれている。
同じく「水噴霧防災装置・消防隊送水口・送水圧力 Kg/cm2・東京電力株式会社」と書かれた蓋。こちらは明朝体フォント。ちなみに正しい単位の表記は「Kg/CM2」でもなく「Kg/cm2」でもなく「kgf/cm2」だ。
記事の冒頭に紹介した蓋がこちら。珍しく送水圧力の部分が記入されている。5.0kgf/cm2 は 0.49MPa だが、一般的な送水口の送水圧力は 0.6MPa 若しくは 1.0MPa とのことなので、これはやや低い圧力のようだ。
さらに別タイプの蓋。饒舌から一転して「送水口・東京電力株式会社」とシンプルに書かれているが、「送」の字が二点しんにょうだ。東京モノレールのロゴに使われているようなフォント。
さっぱりとした感じの蓋。こちらも「送」の字が二点しんにょう。旧ロゴ「雷マーク」は「T」の字に稲妻の意匠のはずなのに、このマークは「T」が下の方で繋がってしまっている。
比較的新しそうなタイプの蓋。
こちらは1987年10月から使われている新しいロゴマークが入った蓋。㈱長谷川鋳工所の製品。
「送水口・東電」と書かれた蓋。こちらは恐らく日之出水道機器㈱の製品。
白く彩色された蓋。周辺のタイルに合わせて黒いラインも入っている。擬態蓋という新しいジャンルができるかも。
こちらはグレーチングで蓋をされた送水口。(6/18追記)
「水噴霧防災装置・消防隊送水口・東京電力株式会社」と書かれている。相変わらず饒舌。
フラッシュ撮影した写真を色調補正したら中身が見えた。双口の送水口が格納されているのが見える。
東京消防庁
最後に送水口ではないが「口」繋がりで採水口の蓋を載せておく。「防火貯水槽」や「防火水槽」との表記はよく見るが、この「採水口」と何か違いがあるのだろうか。開けてみたい。
関連リンク
●送水口ウォーク・前編(駅からマンホール:2014/03/30)
●送水口ウォーク・中編(駅からマンホール:2014/04/10)
●送水口ウォーク・後編(駅からマンホール:2014/04/21)
●消防車特集(余談編1)(駅からマンホール:2014/05/19)
●夢の入口でさん
●むにゅ’s のぉとさん 2
●彷鉄さん
2014 年 6 月 13 日 6:51 PM
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送水圧力表記蓋! 他にも見たことのない蓋が沢山。 RT @EkikaraManhole: 【更新情報】 地下式送水口特集 http://t.co/B59KLs5h9l #manhotalk http://t.co/tnFB945b80
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